2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on polishing phenomenon with AFM tip scratch machining
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19K04130
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
松井 伸介 千葉工業大学, 工学部, 教授 (50612769)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | AFM / アルミナ / SiC / ダイヤモンド |
Outline of Annual Research Achievements |
新規にアルミナ触針、SiC触針を用いて、アルカリ雰囲気、加工荷重それぞれの依存性を検討した。その結果、アルミナ触針では、pH7,10 ではほとんど加工せずpH11で0.6nmの加工が確認された。これは同じ条件でのダイヤモンドの1/6である。また、SiCでは、pH 7, pH 11ともに,アルミナと同程度の加工が観察された.ダイヤモンドのようにpHが高くなると加工量が増えることはなかった。次に加工ダメージの指標である反射減衰量は、ダイヤモンドでは、42と低くなり加工ダメージ層が発生したのに対し、アルミナ、SiCでは、ほとんど低下しなかった。以上は、加工荷重50μNの場合の結果であるが、加工荷重を150μNまで大きくするとアルミナでも1.6μNまで上昇した。しかし、反射減衰量は、ほとんど低下せず、加工ダメージ層は、あまり形成されなかった。また、両条件で、加工量と先端摩耗量の比は同一の2となった。このように、ダイヤモンド、SiC、アルミナ触針それぞれで、異なる加工特性をpHに依存して示し、加工において化学的側面が非常に大きいことが改めて分かった。以上の内容は、2019年9月の砥粒加工学会全国大会で発表した。 また、本研究の成果の適用先となる難加工半導体材料の研磨技術の検討では、GaN基板に対するUV照射による光化学反応を援用した研磨加工の高速化の検討を行った。UVを照射することにより30倍近い加工の高速化を実現した。また、この実験の中でUVを照射する際メッシュ状のポリシャを用いた。これにより、基板への接触率が大きく減ることになるが、同一条件の加工では、従来のSUBA800と加工速度は変わらないことも見出した。さらにここで用いたメッシュポリシャは、ポリアリレート系のエンジニアプラスティックを用いた、耐薬品、耐UVである。これらも砥粒加工学会全国大会、精密工学会秋季大会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SiC,アルミナ触針のpH、加工荷重依存性の検討において興味深い結果を得たため、これに少し予定より時間を使っている。また、その中で,試料である光ファイバコネクタの作成を新たにする必要もありこれにも時間がかかる。そのため、基板への加工がまだ展開できておらず今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のSIC,アルミナの触針に、GaN触針を加えた、光コネクタへの加工(石英材料)の検討をさらに続ける。併せて、基板を装置に固定する方法、加工位置の同定法の検討を行った後に基板へに加工を進める。加工変質層の評価には、マイクロエリプソを借用して行うと計画していたが、まだ、目途が立っていない。現状では、ラマン散乱の検討から始めようとしている。一方では、耐薬品、耐UV性のあるメッシュポリシャを用いたUV照射援用研磨の検討を本研究の適用先、そして、ポリシャの検討課題項目として進めていく。さらにAFMを持ちいた、さらに早いしゅう動による研究への展開も図っていく。
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Causes of Carryover |
SIC、アルミナ触針による荷重依存性、pH依存性の検討において有用な結果が出たため、これをさらに追及し時間がかかった。そのため、他の触針の購入、ステージの改造等に遅れが出ているためである。 今年度は、遅れているステージの改造、触針の購入を行う。また、基板への加工ダメージの分析費等にも使用する。
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