2021 Fiscal Year Research-status Report
磁場と電場の相乗効果による新規高能率超精密穴・ポケット加工法の開発研究
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19K04135
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
山本 久嗣 富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80734409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 均 富山高等専門学校, その他部局等, 特命フェロー(教育・研究支援) (00390435)
池田 愼治 公立小松大学, 生産システム科学部, 准教授 (50361126)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 精密研磨 / 高能率研磨 / 機能性流体 / 磁場・電場 / 磁気混合流体 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度軸ブレ等を改良した工具を用いて研磨加工実験を実施中に,SUS304製ワーク準備時の表面研磨仕上げにより,オーステナイト系ステンレスがマルテンサイト組織に変形し,弱磁性を持つワークとなり,ワークの磁性が加工特性に影響を及ぼすことが明らかになった.あらたに①~③の項目を実施し本加工法の加工特性の評価を行った. ①磁気吸引力測定装置の製作と設計では,先端に樹脂製ホルダーで覆われた円柱状のネオジム永久磁石を取り付けたデジタルフォースゲージを用いて,ワークと磁石間の距離を変化させた際のトルクを計測することで磁気吸引力を測定した. ②研磨特性評価では,磁性の異なるワークごとにMCF加工液に対して磁場のみを作用させた場合と磁場と電場を同時に印加させた場合との2つについて,工具回転数,電場印加時の電場強度を実験パラメータとして研磨を行い,その加工特性を評価した.その結果,磁化の小さいワークは磁化の大きなワークより表面が平滑化される,また電場印加時に磁化の大きさに関わらず加工量のピークは高回転側にシフトすることなどが明らかになった. ③ワークの磁化特性を考慮した磁場解析では,ワークの磁化特性により加工領域内に生じる磁力線形状が異なることが分かり,MCF加工液が工具の磁場を受けて形成する磁力線の形が大きく異なることが明らかになった. 上記検討により,ワーク磁化特性によりMCF加工液内で工具の磁場を受けて形成する磁気クラスタの形状は大きく異なり,磁化特性の大きなワークほど磁気クラスタは垂直に作用し,加工に必要な砥粒を排除してしまうために加工面を粗くしてしまう可能性が見られた.また,磁性の弱いワークでは垂直方向のクラスタが減少し加工に必要な砥粒がバランスよく入り込むために平滑な表面を得ることができる可能性が見られた.このクラスタ形状の違いは今後研究を進めていくうえで大きなキーとなると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概要に示した通りのワーク磁性という新たな課題発見により当初実施を予定していたポケットワーク加工実施が遅れている.また,工具の破損と工具修復のための磁石調達に時間がかかっていることも遅れの原因となっている.
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Strategy for Future Research Activity |
工具の修復を行い,当初の目的であるポケット加工に向けて加工条件の基礎データの収集を行う.
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Causes of Carryover |
工具修理計画が年度をまたぐためにその費用を次年度に計上した
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