2021 Fiscal Year Research-status Report
A study on product shape preferred by users based on quantification of visual informaton using induction field
Project/Area Number |
19K04137
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
三島 望 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (00358087)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 雅英 秋田大学, 名誉教授, 名誉教授 (60172441)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 視覚誘導場 / 製品形状 / 階層分析法 / 回帰分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
定量的な感性評価の方法を確立するため,視覚誘導場を用いた感性評価の研究を行った.本年度の研究においては,新たな事例分析として事務用椅子を対象として,誘導場の分布から計算される評価関数を計算した. 主観的な感性評価を定量的に扱うために,階層分析法による調査を導入した.階層分析法の第一段階において,事務用椅子としては,”集中できそうな”形状,”リラックスできそうな”形状の相対重要度が高いことが明らかになった.その他6種類の評価基準に基づいて,16種類から抽出した画像特徴の異なる4種類の椅子画像に対する感性評価の調査を行い,約250件の回答を得た.また,一連の感性評価法でより信頼できる結果を得るため,誘導場解析に必要な画像の表記規則などの改善点を検討した. そのうえで,誘導場の評価関数との相関関係を求めた結果,階層分析法で計算される総合重要度および”集中できそうな”,”リラックスできそうな”の2種の評価基準が誘導場の平均値に負の相関関係があることがわかった.この結果から,誘導場を用いた感性評価の有効性が示唆された.一方で,その他の評価基準とは一貫性のある相関は得られておらず,誘導場から抽出した他の特徴量であるポテンシャル値と最大―最小値と感性評価結果との明確な相関は得られていない. 今回着手できなかった改善点として,階層分析法の評価基準の選定方法が残っている.誘導場の評価関数おいて,ポテンシャルエネルギーと最大値と最小値の差については,階層分析法のどの項目とも一貫した相関関係が得られなかった.その原因についても考察したが,対象となる製品を変えるなど,さらなる実験と検討が必要であると考える.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
参加を考えていた国際学会(Global Conference on Sustainable Manufacturing)が延期となり,本手法による感性評価結果をいわゆる環境配慮設計に展開する方法についての考察と議論が少し不足しているように感じる. 上記とも関連するが,国際的な場における成果の公表と,それに基づく議論が不足しており,”やや遅れている”とした所以である.
|
Strategy for Future Research Activity |
誘導場による画像の分析結果,また製品形状画像に対するユーザーの感性評価結果については充分なデータが得られている.延長した2022年度は両者の相関を重回帰分析あるいは主成分分析などの多変量解析手法に基づいてより詳細に分析する. 同時に,社会状況により多少不充分であった研究成果の公表についても英文ジャーナルを中心に積極的に行って行く.
|
Causes of Carryover |
参加を予定していた国際学会が延期となるなど,成果発表のための旅費,学会参加費の使用が出来なかったためである.当該学会が2022年に延期になっていること(ただしハイブリッド方式で開催)から,学会参加費として一部を使用する.また,それ以外の英文ジャーナルにも投稿する予定であり,英文校正費としても用いる.また,データの精度をあげるために追加のユーザー選好調査を予定しており,その調査費に充てる.
|
Research Products
(2 results)