2023 Fiscal Year Annual Research Report
A study on product shape preferred by users based on quantification of visual informaton using induction field
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19K04137
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
三島 望 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (00358087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 雅英 秋田大学, 名誉教授, 名誉教授 (60172441)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 視覚の誘導場 / 観測者の選好 / 画像の数値情報 / 階層分析法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2回の延長に伴う事業最終年度として,本年度はこれまでに実施した様々な製品画像かあ抽出した数値情報と感性評価結果を比較し,全体として報告するとともに,本研究で提案する手法がどのような製品にt記しているかを明らかにすることを試みた.これまで、製品としてはスマートフォン,自動車,椅子を研究対象としてきた.本研究では”視覚の誘導場”と呼ばれる概念に基づき,製品画像が観測者の視覚に与える刺激を生理学的実験モデルに基づき数値化し,階層分析法により抽出した観測者の選好情報と比較することを行ってきた.今年度はこれまでと異なり,大規模なネット調査を外注し,より広く無作為抽出による選好の調査を行ったことも特徴である. その結果,全ての製品を通じて,視神経に対する刺激の強さを表す視覚の誘導場強度の面積分ないし平均値が総合的な観測者の選好と負の相関があるとの傾向が明らかになった.これは,比較的視覚刺激の弱い=目に優しい形状が好まれる,ということを意味している. これまでにケーススタディの対象とした製品のうち最もはっきりとした傾向が得られたものは椅子であった.スマートフォン,自動車でも同様の傾向は得られたものの,これらの製品では製品画像以外のいわゆる性能が選好に大きく関わっており,性能に関する文字情報が,選好に与える影響が無視できないからである. 従って,本研究で提案して検証してきた,視覚の誘導場を用いた形状設計の手法は,形状が製品性能を大きな部分を占める家具などの製品に適していることが明らかになった.ただし,視覚刺激の弱い画像の選好度が高い傾向は共通しており,知見として一般化することが出来そうである. 事業期間終了後もこの仮説に基づき検証を継続し,様々な製品画像の数値的特徴と観測者の選好結果とを比較し,上記の傾向をより多くの画像に対して確認する予定である.
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