2021 Fiscal Year Annual Research Report
A study on effect of surface roughness for friction force and surface damage under squeeze motion
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19K04155
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山本 建 東海大学, 工学部, 准教授 (20780323)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スクイズ / 無段変速機 / 摩擦係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,スクイズ運動を伴うすべり接触面において,摩擦係数と電気抵抗の同時測定により摩擦係数と接触面積の関係を把握することで,高摩擦係数と耐損傷を両立する粗さ形状の創出を目的とした.これまでの結果と得られた結論を以下に示す. (1)粗さに対する摩擦係数と電気抵抗:Rq0.02,0.1,0.2,0.4,2.0の5レベルの粗さにおいて,粗さが大きくなるほど荷重開始時の摩擦係数の立ち上がり速度が向上し,定常安定値も高くなることを実験確認できた.しかしながら電気抵抗値はRq0.02とそれ以外では大きく異なり,接触面積の差異を示すものの,Rq0.1~2.0では有意差がなく接触状態の差を判別することは出来なかった. (2)EHL計算による摩擦係数の算出:電気抵抗による接触状態の精密な測定が困難であることがわかったので,接触を考慮した非定常EHL計算を用いて解析を行った.粗さによる流量係数の変化を考慮していない簡易計算ではあるが,定性的に上記(1)の結果を表現できた.今後,計算に粗さの影響を取り込み,より精度の高い解析を行う予定である. (3)テクスチャによる摩擦特性の向上:各種形状パターンについてEHL計算を用いて摩擦係数の計算を行ったところ,すべり方向に対して直角に形成した溝が効果を示した.これはスクイズ膜がすべりによって溝に排出され,油膜が薄くなり,直接接触を促進するためである.計算にて諸元の最適化を行い,製作した試験片の実験評価を行ったところ,摩擦係数の定常値は大きく上昇したが,立ち上がり速度については,試験装置の剛性不足により差異を判別できなかった. 以上,荷重開始から10msec以内の摩擦特性を測定するためには試験機の剛性アップが必要であり,実機製造バラツキ範囲の粗さによる接触状態を把握するには,電気抵抗法よりも分解能の高い方法必要であることがわかった.
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