2019 Fiscal Year Research-status Report
EFD Analysis of complex flow fields by measurement of pressure distribution based on lifetime imaging
| Project/Area Number |
19K04171
|
|---|
| Research Institution | Kyushu University |
|---|
Principal Investigator |
森 英男 九州大学, 工学研究院, 准教授 (70362275)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
| Keywords | 感圧塗料 / 感温塗料 / 寿命法 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では，感圧塗料(PSP)による圧力場計測手法において，感温塗料(TSP)による温度分布計測を併用する技術である重ね塗りPSP/TSP (DL-PTSP) および寿命法に基づく較正法を適用することにより，PSPが有する，温度感度および照射光強度分布の不均一性がもたらす誤差の低減の実現を目指している．初年度となる平成31年度（令和元年度）は，研究代表者らによる先行研究 （Moon et al., Meas. Sci. Technol. 2018） において基本原理を確立した DL-PTSP と寿命法の併用手法を二次元的な連続場のイメージング計測手法へ発展させるため，先行研究における手法が有する課題点の解決を含む手法改良に取り組んだ．
上述の先行研究では，PSPとTSPの発行寿命の違いを利用した発光分離において，圧力と温度の同時計測における感度および両者の計測の独立性の観点において最適となるカメラゲートのタイミングを明らかとするため，照射光の繰り返し周期とカメラ撮影の周期をわずかにずらすことで、カメラゲート幅時間より細かな時間刻みでタイミング設定が可能となる一方で、複雑かつ複数周期の繰り返し撮影を要する手法を適用していたが，多数の画素の処理が必要なイメージング計測手法への展開を想定し，実質1周期でPSPとTSPの発光分離および圧力・温度の同時計測を実現するためのカメラゲートのタイミングについて，先行研究の成果を元に再検討を行い，その結果，先行研究と同等以上の圧力・温度感度を実質1周期の撮影において実現することを可能とした．
本研究の成果は，本年9月に開催される予定の可視化情報シンポジウムにおいて発表を予定している．
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の初年度となる平成31年度（令和元年度）は，将来的に供試軸流圧縮機などターボ機械周りの流れ場を対象とした計測への適用を見越し，試験装置周りの狭小なスペースへの設置が可能な小型ハイスピードカメラを導入し，本カメラをベースとした実験系の構築を行った．あわせて，研究代表者らによる先行研究 （Moon et al., Meas. Sci. Technol. 2018） における成果を元に，重ね塗りPSP/TSP (DL-PTSP) への寿命法適用における，照射光の繰り返し周期とカメラ撮影ゲートとのタイミングについて再検討を行った結果，PSPとTSPの発光分離による圧力および温度の同時かつ独立な計測を両立し，その上で先行研究と同等以上の圧力・温度感度を実質1周期の撮影において実現できた．
本年度は，先行研究時点と比べ，研究協力者となる大学院生の総入れ替えもあり，実験系の再構築および実験の実施において遅れがみられたこと，および本研究課題申請時の研究計画に含まれていたTSPの色素変更においては望ましい成果が得られないことが判明した一方で，本研究の中枢技術となるDL-PTSPへの寿命法の適用方法の再検討において望ましい成果が得られたため，これらを勘案したところ，全体的には概ね順調な進展であると考えられる．
|
| Strategy for Future Research Activity |
令和2年度以降は，重ね塗りPSP/TSP (DL-PTSP) への寿命法適用による圧力と温度場の同時イメージング計測手法において，特に照射光強度分布の不均一性によってもたらされる測定誤差への影響を検証し，従来の発光強度ベースの較正手法との比較により，本手法の優位性について明らかにする．この検証は，本手法を例えばプロペラファン翼面のような，照射光強度分布の不均一性による誤差の影響が大きく現れる発光強度ベースの較正手法では適用が困難な大面積の対象物への適用可否を判断するために重要である．
あわせて，非定常場を対象とした計測手法へと発展させるため，本研究で構築する計測手法の時間応答性を検証するとともに，非定常計測におけるSN比向上に取り組む
その上で，圧縮機の上流配管側壁や軸流圧縮機のシュラウド壁面，プロペラファン翼面など，比較的大面積を有する対象において，本研究で構築する圧力・温度場同時計測手法を適用した流動場解析を推し進める．
|
| Remarks |
2019年9月に札幌市において開催された、第7回日独学際領域研究のための分子イメージングセミナー（部外秘の会合のため学会発表には含まれないが、本研究課題に密接した分野における日独の研究者が集まる会合である）において、本研究に係る研究発表を行うとともに，本研究課題に関する最新のトピックおよび研究の動向について情報収集および討論を行った．
|
Research Products
(1 results)
