2020 Fiscal Year Research-status Report
Study on rheology of non-Newtonian two-phase flows through singularities in microchannels
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19K04172
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
川原 顕磨呂 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (20224818)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 二相流 / マイクロチャンネル / 非ニュートン流体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はマイクロ流路およびミニ流路内の気液二相流流動特性に及ぼす非ニュートンレオロジー特性、および特異点の影響を明らかにすることである。そこで、水力学相当径0.5 mmの矩形流路内の非ニュートン流体気液二相流の流動様式、圧力損失を調査した。その結果、液体の平均速度の増加に伴い、二相摩擦圧力損失が増加した。液体の有効粘度と圧力損失には相関があり、加えて圧力損失を正確に予測するには、気泡通過後の後流及び液体の弾性を考慮に入れる必要があることが分かった。 次に、水力学相当径0.5~1.0 mmの縮流比0.5の急縮小部を有する矩形断面マイクロ流路を用い、液相に非ニュートン流体を含んだ気液二相流の流動特性を実験的に調査した。供試流体には,気相に空気、液相に蒸留水,グリセリン(GL)水溶液25 wt%,キサンタンガム(XG)水溶液0.1 wt%,ポリアクリルアミド(PAM)水溶液0.11 wt%を用いた。実験および解析の結果、急縮小部を通過する圧力損失について以下の事項が明らかとなった。 ・すべての気液二相流系において、それらの急縮小圧力損失は気液二相流体の慣性の増加に伴い大きくなった。 ・同一の気体と液体合計の体積流速における急縮小の圧力損失の大小関係には、液相の擬塑性(せん断速度の増加により液相の粘度が減少すること)や弾性が影響することが分かった。そして、圧力損失の大小関係は、XG系 > PAM系 > GL系 > 蒸留水系となった。 ・マイクロ流路内ニュートン流体の急縮小圧力損失を評価するために本研究室で開発した式を非ニュートン流体のそれに適用した結果、計算値と実験値は概ね一致した。さらに、気液二相流のエネルギー保存側に基づき急縮小圧力損失係数の整理式を導出した。この式により得られた二相流の急縮小圧力損失の計算値は,実験値と相対誤差± 30 %以内で一致した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイクロ流路の直管部における液単相および気液二相流流動特性に及ぼす非ニュートンレオロジー特性を把握した。加えて、急縮小部を通過する非ニュートン流体の気液二相流動特性、特に圧力損失に及ぼす非ニュートンレオロジー特性の影響を把握した。一方、高分子の種類により、すなわち高分子の分子量が大きくなるにつれて、粘弾性の影響と見られる現象が観察された。そこで、それらの現象を把握するための実験・解析が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
高分子の分子量および水溶液の濃度が増すにつれて粘弾性の影響と見られる現象が観察されたので、高濃度に変えた実験を行うことを計画している。 また、弾性の影響をさらに詳しく見るために、特異点として急拡大を使用し、急拡大部を通過する液単相流および二相流の特性を調べることを計画している。加えて、急縮小の縮小比を今年度の場合と変えた事件を計画している。
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Causes of Carryover |
旅費については当初予定していた国際会議に参加できなかった。物品費については、研究の途中で現有のPIV装置が故障しため、その修理費に充てた。次年度は新規実験装置の製作およびその実験に必要な計測器、消耗品に充てる。
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