2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K04179
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| Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
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Principal Investigator |
江頭 竜 福岡工業大学, 工学部, 教授 (60455102)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 気泡流 / ベンチュリ / ボイド率 / マイクロバブル |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は，ノズル内の気泡流特性に及ぼすノズル出口での背圧の影響を理論及び実験により解明することである．初年度の計画は，実験装置に計測システムを新たに導入し，ノズル出口の背圧がノズル内の圧力分布，マッハ数分布，ボイド率分布，衝撃波の形成に与える影響を調べることであった．まず実験装置としては，ノズルを透明アクリル製のベンチュリ型ノズルとし，噴射圧力を絶対圧0.15～0.5MPaの間で変化させることができるようにした．スロート部下流の背圧はノズル下流のバルブの開度により絶対圧0.1～0.5MPaの範囲で制御できるようにした．ノズルには流れ方向に一定間隔で測定孔を設け，ノズル内の圧力分布を測定する際にはこれらの測定孔に圧力センサーを取り付けるようにした．ボイド率分布は定電流法（気相と液相の電気抵抗率の違いを利用してボイド率を計測する方法）を採用することにした．なお，ボイド率測定では上述の測定孔に定電流法のためのステンレス棒の電極を取り付けるようにしたが，定性的には正しそうな結果が得られているものの，定量的には負のボイド率が得られる場合があり，十分な精度で測定できているとは言い難い．従来の研究においても，同じ手法で，本来正の値であるはずのボイド率が負の値をとる場合があるといった問題があり，その原因は未だ不明のままであった．そこで本年度，ノズル内のボイド率の値が負になる原因を，単一気泡を用いて調べた結果，ノズル内を通過する単一気泡がロガー端子の片側に接触する場合，あるいは定電流源端子の片側と接触する場合，あるいはノズル断面を単一気泡が覆う場合に，電圧が水単相よりも低くなり，ボイド率が負になること，リング状の端子であればボイド率が負になることはないことを明らかにした．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ノズル内のボイド率の測定において，棒状の電極では，正であるはずのボイド率が負の値として計測される不具合が生じることがわかった．この原因を究明するために，まずは対象としている気泡流ではなく，単一気泡あるいは２つの気泡を用いて定電流法の詳細な実験を行ったために，想定以上の時間がかかった．その結果，リング状の電極であればボイド率が負になることはないことがわかったため，この問題は何とか解決しつつある状況である．実験の準備はほぼ整い，数値計算のためのハード面の準備も整った．しかしながら，数値計算で使用する基礎式の導出だけが未完了である．
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| Strategy for Future Research Activity |
前年度実施予定だったノズル内気泡流の定式化を行い，差分法によりノズル内気泡流の数値シミュレーションを行う．数値シミュレーションがうまくいかない場合，得られた方程式系が数学的に不適切であることが考えられるため，その数学的適切性を調べる．方程式系が数学的に不適切な場合，数値計算の精度を上げようとして空間刻み幅を小さくすると，非物理的な高周波成分が顕在化し，発散して安定な計算ができないからである．実験は予定通り，ノズル出口の背圧がノズル内の圧力分布，マッハ数分布，ボイド率分布，衝撃波の形成に与える影響を調べるために，データを取得していく．
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| Causes of Carryover |
本年度予定していた国際学会発表のための旅費が，学内の国際学会旅費支援の公募で採択されたために，旅費の支出がなくなった．また，当初予定していた高性能パソコンがメーカーとの交渉により同等の性能で安価に購入することができた．さらに，本年度はボイド率の正確な測定に関する基礎的な実験を気泡１つあるいは２つで簡単化して実施したことで，本年度購入予定の測定装置をまだ購入していない．以上の理由により次年度使用額が生じた．次年度は，本格的に気泡流についての測定を行う際に，この「次年度使用額」の予算で測定装置を購入する．
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Research Products
(3 results)
