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2020 Fiscal Year Research-status Report

ノズル内気泡流に関する理論の構築と実験的検証

Research Project

Project/Area Number 19K04179
Research InstitutionFukuoka Institute of Technology

Principal Investigator

江頭 竜  福岡工業大学, 工学部, 教授 (60455102)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords気泡 / ボイド率 / 非平衡蒸発
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は,ノズル内の気泡流特性に及ぼすノズル出口での背圧の影響を理論及び実験により解明することである.まず実験においては,本年度は,昨年度の業績で明らかにしていたボイド率が負になる原因(棒状電極と気泡の接触)を排除するために,ベンチュリノズルに8個のリング状の計測電極を組み込み,これによるボイド率測定の有効性を検証した.特に,単一気泡と総体積が同じ分散した10個の気泡ではボイド率が1%しか違わず,少なくとも10個までは正確にボイド率を計測できることを明らかにした.したがって,ベンチュリノズル内のスロート部下流で圧力回復により気泡が微細化される前までであれば,リング状の計測電極でボイド率を精度よく計測できることがわかった.次に,理論・数値解析について述べる.数値解析ではまず,単一気泡がノズル内でどのような挙動を示すかを調べるべく,本年度は気泡中心が静止した状態で,非平衡蒸発凝縮を考慮した膨張収縮運動の数値解析を行った.具体的には,剥離点に張力が生じることで気泡が発生して,しばらくの間負圧に保たれ,その後周囲液体の圧力が大気圧に回復した場合の数値計算を行い,気泡の膨張収縮運動に与える非平衡蒸発凝縮の影響を調べた.その過程で,気泡に膨張作用が働くか収縮作用が働くかの境となる圧力を臨界圧力として正しく定義することができた.また,気泡内蒸気の圧力が飽和蒸気圧の半分になるときに気液界面を通しての質量流束が最大となること,気泡壁における蒸気の速度は気泡壁の速度から蒸気の特性速度を引いて求められ,これは気液平衡状態からのずれを表し,気泡壁での蒸気の速度が正の時には蒸気の密度が飽和蒸気圧から低下していくことなど,次年度ノズル内を通過する気泡の数値計算結果を評価するうえで大変重要な知見が得られた.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

ボイド率は流体の全体積に占める気相体積の割合で定義されるため,負になることはあり得ない.しかしながら,ベンチュリノズル内のボイド率を定電流法により測定した場合,棒状の電極を用いると負の値をとることがあり,定性的には正しいように見えるものの定量的には問題があった.この場合,昨年度の時点で,電極としてリング状の電極を用いればボイド率が負になることはないことを明らかにしていたが,リング状電極によるボイド率の測定結果が定量的に正しいかどうかは不明であった.今年度の研究により,定電流法によるボイド率の測定結果を定量的に評価し,ベンチュリノズル内のスロート部下流で圧力回復により気泡が微細化される前までであれば,リング状電極を用いてボイド率を精度よく計測できることがわかった.次年度,気泡が微細化された後でも定量的に正しくボイド率が測定できることを実証した後,実際にベンチュリノズル内の圧力分布,ボイド率分布を測定し,それらに与えるノズル出口の背圧の影響を調べていく.理論・数値解析においては,非平衡蒸発凝縮を考慮して気泡中心が静止した場合の膨張収縮運動については解析できるようになったため,次年度,気泡が並進運動してノズル内を通過する場合でも計算できるように拡張する.

Strategy for Future Research Activity

今年度の成果である,定電流法を用いたボイド率測定に関する知見と,気泡中心が静止した場合の非平衡蒸発凝縮を考慮した気泡の膨張収縮運動の解析結果を論文として執筆し投稿する.今後の実験では,実際にベンチュリノズル内の圧力分布,ボイド率分布を測定し,それらに与えるノズル出口の背圧の影響を調べる.また,理論・数値解析においては,非平衡蒸発凝縮を考慮して,気泡が並進運動する場合の膨張収縮運動の解析を行う.その後,実験で得られたベンチュリノズル内の圧力分布のプロファイルを用いて,その中を並進運動する気泡の膨張収縮運動を計算し,実験との比較を行う.

Causes of Carryover

次年度使用額は104円であり,概ね計画通りの支出であると考える.

  • Research Products

    (3 results)

All 2020

All Presentation (1 results) Patent(Industrial Property Rights) (2 results)

  • [Presentation] 出口での圧力と速度の非一様性を考慮したストークス自由噴流理論2020

    • Author(s)
      江頭竜,藤川俊秀,矢口久雄,増淵寿,藤川重雄
    • Organizer
      日本機械学会 第98期流体工学部門講演会
  • [Patent(Industrial Property Rights)] ボイド率計測装置およびボイド率計測方法2020

    • Inventor(s)
      河村良行,江頭竜,松川夏樹,佐藤翔,高曽徹
    • Industrial Property Rights Holder
      福岡工業大学
    • Industrial Property Rights Type
      特許
    • Industrial Property Number
      特願2020-060039
  • [Patent(Industrial Property Rights)] 気液溶解装置2020

    • Inventor(s)
      江頭竜,平松義彦,村山智紀,大澤功平
    • Industrial Property Rights Holder
      福岡工業大学
    • Industrial Property Rights Type
      特許
    • Industrial Property Number
      特願2020-83376

URL: 

Published: 2021-12-27  

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