2021 Fiscal Year Research-status Report
カイアシ類は流されながら流速場をどのように検知し応答するのか
Project/Area Number |
19K04184
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
秋葉 龍郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (00221713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 祐志 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (90207150)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 応力テンソル / 運動能力 / 生物進化 / 流体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
カイアシ類の応力テンソル応答の研究を行なっている。水中にいるすべての生物に研究対象を広げ、流体との相互作用について理論的な研究を行った。その結果、知性があり遊泳能力をもつ生物と遊泳能力を持たない生物の間ではテンソル応答に大きな違いがあることがわかった。すなわち完全に受動的な生物ではテンソルに対して、弾性エネルギーとして力学エネルギーを受け取るのに対し、運動能力がありかつ神経系を進化させて生物ではエネルギーを受け流す代わりに情報として処理していることが示唆された。そのため運動能力の獲得は変形テンソルに対する神経活動を通じた応答特性の獲得の結果であるということができる。 水中生物の応力テンソル忌避特性を利用した、生物分級装置の設計を行った。当初、樹脂パイプが真円でないことから、シールに問題が発生したが設計を変更し、問題を回避することができた。本装置の開発により今まで生物をその大きさで分級することが多かったが、テンソル忌避特性といる新たな視点で分級することが可能になると考えている。 また、テンソル応答を測定するための回転水槽を作成した。この装置によりテイラー・クエット流の下での生物の特性を測定することが可能となった。水槽の大きさは3種類として、回転速度、内側の円柱の直径を変えることで様々なテンソル勾配を発生させることが可能となった。また回転速度を時間的に変化させることにより時間応答特性の測定も可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
設計を何度もやり直すこととなり、開発に遅れが生じた、試作を繰り返すことで問題を解決することができた。一方理論的な研究は大きく進展することができた。基本設計が終了したことにより具体的な設計に着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の早いうちに実験に着手し、研究成果をとりまとめ発表をおこなっていきたい。
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Causes of Carryover |
設計に問題が生じて、次年度使用額が生じた。しかし、試作により問題が解決したので設計を行うことができた。あとは装置の制作と実験なので6月末までには装置を完成、実験を行う予定である。
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