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2022 Fiscal Year Annual Research Report

カイアシ類は流されながら流速場をどのように検知し応答するのか

Research Project

Project/Area Number 19K04184
Research InstitutionNational Institute of Advanced Industrial Science and Technology

Principal Investigator

秋葉 龍郎  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (00221713)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 田中 祐志  東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (90207150)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywordsカイアシ類 / 変形テンソル / テンソル応答 / 知性 / 運動能力の獲得 / 感覚の獲得 / 生物分級 / 進化
Outline of Annual Research Achievements

生物と流速場の相互関係について基礎的な研究を行った。
周囲の流速場環境により受動的に動かされる流体中の生物(物体)の運動について考察すると、並進と回転と変形の3種類に分類できることが分かった。さらに周囲の流体が水の場合、水は非圧縮流体であるので、等積的な変形のみである。一方、並進と回転は物体に運動エネルギーは与えるものの、弾性エネルギーを与えることはなく、物体の内部にエネルギーは生じない。さて一方、変形を加えられる物体に眼を転じると、変形により物体の中には2点間の距離が変わる作用が生じることなる。生物には2点間の距離の変化を大きく許容できる生物と許容できない生物がある。一般に受動的な生物は弾性変形を受け入れるのみである。一方、生物の中には降伏点に達する以前に弾性変形を回避する生物がある。これが運動性および環境知覚という能力を有する生物である。換言すれば脳のある生物は運動能力があり、力学的に周囲を検知することで、知性を獲得してきたことが示唆された。
研究当初はカイアシ類という特定の生物種と流速場の関係を研究する予定であったが、流体中の全ての生物、特に流速場に応答する生物すべてに通用する普遍的な研究テーマであることがわかってきた。このテンソル応答能力は水棲生物のみならず、陸域の生物の動きも説明できることがわかった。例えば、陸域生物が運動するときの動きも等積変形であるし、面的非対称な動きで自身を推進することなどである。空気中では流体の密度と生物の密度が大きく異なるので、空気の流れに生物の動きが制限されることが少ないが、自発的な運動にも水中で獲得した運動性能が維持されていることが多くの例から推察される。
以上のことから水中の生物が変形テンソルに応答する性質を利用して、水棲生物を分級できることに想到した。さらに生物の流体運動応答特性を利用して生物を分級できる装置を考案した。

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Published: 2024-12-25  

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