2020 Fiscal Year Research-status Report
ナノ秒パルス放電プラズマアクチュエータによる流体制御の機構解明と電極形状最適化
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19K04185
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| Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
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Principal Investigator |
満尾 和徳 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 主幹研究開発員 (10371105)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 良尚 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 研究開発員 (90371103)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 流体制御 / プラズマアクチュエータ / 先進流体計測 / 風洞実験 / ナノ秒パルス放電 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
ナノ秒パルス放電型プラズマアクチュエータ（nanosecond pulse driven plasma actuator : ns-PA）による2次元翼前縁剥離抑制の制御メカニズムを明らかにするために、小型低騒音風洞（低速風洞）において剥離抑制確認実験、およびPIV計測による流れ場の可視化実験を行った。翼型NACA0012、コード長150mmの風洞模型（静圧孔あり）を使用した。ns-PAを翼の前縁（x/c=0%）に取り付けた。ns-PAは、電極に銅テープを使用し、電極間にカプトンテープを挟んだ構造とした。
ns-PAの放電電圧を4kV（F＋=0.1～4.5）に設定し、風速10m/s、模型迎角17deg（失速迎角）の条件で実施した。多点圧力スキャナを使用して計測した翼面上の圧力分布の結果から、ns-PAによる剥離制御が有効であることを確認した。
次に、高速度カメラを利用した時系列PIV計測（レーザー：Lee Laser, LDP-200MQG DUAL DIODE PUMPED LASER、高速度カメラ：Phantom V710、計測ソフト：LaVisionDavis10）によりns-PA制御によって変化する流れ構造を可視化した。ns-PAによって誘起される渦が2次元翼前縁付近から下流に向かって移動する様子を明瞭に捉えることができた。また、ns-PA制御によって変化する流れをさらに詳しく調べるためBOS（Background Oriented Schlieren）法により可視化する予定であったが、新型コロナウィルス感染症の影響のため風洞試験を実施できなかった。2020年度はBOS光学系検討および実験機材の準備まで行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初、2020年度の研究計画は以下の通りであった。
(1)ns-PAによる剥離抑制メカニズムを明らかにするため風洞実験を行い、PIV計測、BOS計測により流れ場を詳細に調べる。
(2)上記実験によって得られた情報をもとにns-PA電極形状の最適設計を行うとともに、その性能を評価する。
しかし、新型コロナウィルス感染症の影響により実験が予定通りに実施できず、研究に遅れが生じた。実施できなかった以下の研究内容は2021年度に実施する。
・BOS計測による流れ場の診断。
・電極形状の最適設計、および設計されたns-PA電極の性能評価。
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| Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、2020年度に実施できなかった研究を含め次の内容を実施する。
・BOS計測によりns-PA制御流れ場を詳細に調べる。また、ns-PA実験によって得られた情報をもとに電極形状の最適設計を行い、その性能を評価する。
・0.8m×0.45m高Re数遷音速風洞（TWT2）を使用してns-PA制御実験を行い、高速気流条件における2次元翼前縁剥離抑制効果を調べる。PAによる剥離抑制効果は模型上の静圧計測およびシュリーレン計測等により評価する。
・学会・研究会等において、空力制御研究のコミュニティと議論を交わし、研究成果向上に努める。
・最終年度であるため研究成果を報告書にまとめる。
新型コロナウィルス感染症が終息しない場合、TWT2風洞試験が実施できない可能性がある。その場合は、低速風洞試験等で取得したデータを参考に剥離制御効果を評価する予定である。
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| Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響で2020年度に予定していた風洞実験が実施できなかったため、2020年度に使用予定であった風洞実験支援費等（863,684円）を繰り越す。2021年度は、物品費：100,000円、人件費：700,000円を予定しており、繰越予算（863,684円）と合わせて、風洞実験支援費、実験消耗品、旅費等に使用する予定である。
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