2019 Fiscal Year Research-status Report
部分混和系におけるKorteweg効果を伴う界面流体力学の数値解析
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19K04189
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
長津 雄一郎 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60372538)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 部分混和 / 界面流体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
多孔質媒質内や二枚の平行平板間の薄い隙間であるヘレ・ショウセル内で、高粘性液体が低粘性液体に置換される際、二流体の界面が指状に広がる現象は、Viscous fingering (VF)と呼ばれ、界面流体力学の重要な一問題である。研究代表者らは、ごく最近、水性二相系を用いることにより、初めて部分混和系での (VF)実験を成功させ、その特性が、従来から知られている完全混和系と非混和系の場合とは全く異なり、VFが千切れ、多数の液滴を形成するパターンになることを見出した。さらに、その液滴形成の起源は、部分混和系であることに起因して生じる相分離とその相分離の際に自発的に生じる対流(Korteweg効果と呼ばれている)であることを提示した。本研究では、この部分混和系でのVFの数値計算研究を行う。本年度は、以下の2つの事項について研究を行った。 (1)部分混和系の界面流体力学は、相分離を伴う界面流体力学ともとらえることができる。本研究では、既往の(De Wit & Homsy, Phys. Fluids (1999) )相分離と同様の効果が生じる化学反応を伴う一成分系のVFの数値解析コードに、本研究が主張するKorteweg効果を加えたコードの作成に成功した。ここでKorteweg効果とは相分離の際に自発的に生じる流れである。その作成したコードを用いて、Korteweg効果をゼロとしたときは、既往の(De Wit & Homsy, Phys. Fluids (1999) )と同様の結果を得た。 (2)既往の(Tan & Homsy, Phys. Fluids (1988) )非反応系の一成分系のVFの数値解析コードに、Jasnow and Vinals (Phys. Fluids (1988))に用いられている自由エネルギーの型をカップリングさせたコードの作成に成功した。それらの結果の一部では、研究代表者らの行った実験で観察された液滴生成が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目にして、二種類の相分離を伴うVFコードが完成したため。
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Strategy for Future Research Activity |
完成させた数値計算コードに関して、研究代表者らが、これまで、実験で明らかにしてきた現象が、これの数値計算で再現可能か、またそれらの条件で、数値計算が収束するかを調べる。
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Research Products
(12 results)