2021 Fiscal Year Annual Research Report
金属箔ベルト法を用いたTBABセミクラスレートハイドレートの生成
Project/Area Number |
19K04213
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
寺岡 喜和 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (10365025)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 結晶成長 / TBAB水和物 / 凝固 |
Outline of Annual Research Achievements |
金属箔ベルト固相生成装置を用いて,10 wt% の低濃度TBAB水溶液を冷却することで板状固相を連続的に生成する実験を行った.その結果,ある程度の冷却を保持することで,ベルト速度10 mm/min の比較的高いベルト送り速度であっても板状で固相が生成可能であることを明らかにした.このようにして得られた板状固相のTBAB濃度を測定したところ,ベルト送り速度の増加に伴い,固相TBAB濃度は低下することを明らかにした.これは,高速度ベルト送りになることで液相部分の割合が増加していることを示唆する. 次に,板状固相の組成を明らかにすることを目的にし,十分に長い時間間隔で段階的に昇温させるつつ,各温度で排出される融液の濃度と質量を測定する実験を行った.また,その際の融解の様子を観察した.これらの結果を踏まえ,融解時の相平衡モデルを構築し解析することで,タイプA, B,および,液相の組成比を示した.本実験条件範囲において最も低速となる 0.5 mm/minの組成比は,8℃においてタイプAは13%,タイプBの46%程度となった. また,ベルト冷却部分で生成される固相の様子を観察したところ,氷結晶が出現していることが確認された.これは,水溶液が低濃度になることで,ハイドレートの凝固点が低下し,氷との凝固点との差が小さくなり,さらにハイドレートは氷に比べて過冷却が起こりやすく成長速度が低いことから,氷が先行して出現したと考えられる.この氷が出現すると凍結濃縮による水溶液濃度が上昇が発生し,その部分でハイドレートの核生成が誘起されることで,高ベルト送り速度であっても連続的なハイドレート生成が可能であったと推測される.
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Research Products
(1 results)