2021 Fiscal Year Research-status Report
濡れ性勾配を有するマイクロ複合伝熱面による凝縮伝熱促進実現と燃料電池への応用展開
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19K04227
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
徳永 敦士 宇部工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (20609797)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 凝縮伝熱促進 / MEMS / 滴状凝縮 / 濡れ性勾配 |
Outline of Annual Research Achievements |
凝縮伝熱促進を実現するためには高い熱輸送特性を有する滴状凝縮を活用することが望まれる.さらには伝熱に高い貢献度を示す数ミクロン程度の液滴を活用することが,さらなる伝熱促進に重要である.そこで,離脱半径を制御しつつ,さらには液滴の離脱を促進することで伝熱特性を向上させることが可能な複合伝熱面の製作を行っている.この複合伝熱面は疎水面と親水面を交互に配置することにより,疎水面上で発生・成長した液滴を親水面の液膜によって除去することで,滴状凝縮の離脱半径を疎水面幅にまで小さくできる点に特徴がある.また,親水面上の液膜による液滴の離脱効果に加えて,複数の疎水面を大きな液膜が覆うフラッディングを抑制するために疎水面と親水面の幅を流れ方向に勾配を設けている.この構造を濡れ性勾配と呼び,この複合伝熱面は,疎水面上の微小液滴の離脱半径制御と,巨視的な液滴離脱半径の制御を実現するものである. 今年度は濡れ性勾配のパターン形状と伝熱特性の関係性に着目し実験を継続している.勾配は濡れ性勾配を構成する三角形の形状によって決定されるため,底辺長さを150ミクロンとしたマスクを活用した複合伝熱面を使用している.今年度は実験計画の変更を余儀なくされる感染症状況であったため,十分な実験を行うことができなかったものの,これまで得られたパターン形状と比較してほぼ同等の結果となっている.引き続き微小液滴活用と液滴離脱による伝熱促進効果の関係性について明らかにし,熱流体デバイスへの応用展開を行う計画としている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
感染症の影響により凝縮実験を行うために重要な複合伝熱面の製作が十分に行えなかったためである.計画ではさらに複数のパターンを製作し,伝熱促進効果を検証する計画であったものの150ミクロンを底辺とする濡れ性勾配形状でしか実験を行うことができていない.2022年度はこれまでに行えなかったパターンの製作を行い,凝縮実験ならびに熱流体デバイスへの応用展開を計画している.一方で,実験装置の改良によってより幅広い実験条件での実験が可能になっているため,低熱流束から高熱流束まで,また蒸気流速の影響を加味した実験などを実施できている.引き続き詳細な検討を行うことで凝縮伝熱促進効果を実現する.
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Strategy for Future Research Activity |
期間を延長して実施する最終年度は,濡れ性勾配の形状を変更して実験を行うとともに熱流体デバイスへの応用を行う.単一の濡れ性勾配はもちろん,配置を工夫した濡れ性勾配での伝熱促進効果も検討する.感染症の状況が落ち着き,実験を実施する条件が整い次第早急に複合伝熱面の製作を行う予定である.さらに,並行して熱流体デバイスへの応用も行う.燃料電池のプラッギング抑制はもちろんヒートパイプへの展開などを計画しており,複合伝熱面の活用が十分に期待される.
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Causes of Carryover |
2021年度は実験の実施が困難であり,学会・論文発表などを行うことができていない.その旅費等を繰り越したため次年度使用額が生じた.
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Research Products
(1 results)