2020 Fiscal Year Research-status Report
樹木導管を模擬するメゾスケール複雑境界内の二相流数値計算手法の開発
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19K04241
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山口 朝彦 長崎大学, 工学研究科, 教授 (00284711)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | LBM / 気液二相流 / 数値シミュレーション / 水分輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物導管内の気泡流れに関する数値シミュレーションを実施するために、本研究者らがこれまでに開発してきた格子ボルツマン法(LBM)によるプログラムコードの改良にあたっている。植物導管を模した境界条件とするために、これまでの垂直平板から円筒形の垂直壁とし、計算を実施しているところである。気泡が壁面と接触すると発散する傾向にあり、その原因を解析して対応に当たっている。また、当初から懸念されていた圧力補正の収束に苦慮しているところである。 LBMのプログラム開発と同時に、より高速で安定した結果が得られると考えられる稲室らにより提案された格子キネティックスキーム(LKS)によるプログラム開発を始めた。前者にはまだ追いついていないが、LBMの収束に力を注ぐよりもこちらの方が先に結果を出せるかもしれない。 研究成果については、以下の国際会議でオンランで発表した。 Tomohiko Yamaguchi, Junji Nakatsuka and Satoru Momoki, Numerical Simulation for A Bubble on the Vertical Flat Surface by Lattice Boltzmann Model, International Symposium on Numerical Methods in Heat and Mass Transfer 2020, 2020.12, Ningbo, China, (Keynote Speech).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定から以下の部分で遅れをとっているので上記のような評価とした。 1) 境界条件として垂直壁面を平面から曲面に変更しているが、単相状態では問題なく計算が進むのに対して気液界面が壁面に接するときに発散する傾向があり、その問題が今のところ解決できていない。現在はSRTを用いているが、MRTの採用を検討しているところである。 2) 数値シミュレーションの検証実験として、竹の導管内の流量測定を予定していたが、学外での活動が制限された状態にあり、ペンディングにしている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画について、数値シミュレーションの方法としてLBMからLSKへの移行の可能性はあるが、基本的な思想は同じなので、計画に大きな変更はない。 本研究費で購入した並列コンピュータを活用すると同時に、研究者が所属する研究科の並列計算機と九州大学の計算機が使える状況にあるので、プログラムコードの開発を加速させる。また、LBM数値シミュレーションにおいて安定した結果が出せるようにMRTを導入し、物理現象との乖離に注意しながらプログラムコードの開発を進める。 数値シミュレーションの検証については、行動制限の中で引き続き困難な状況が続きそうであるが、昨年1年間の経験をもとに先を予測して進めていく。 学会のほとんどがオンラインになり、直接他の研究者と議論するのが難しくなっているが、オンラインの学会にも積極的に参加して、成果の公表と同時に最新の情報の収集に当たる。
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Causes of Carryover |
学会のほぼすべてがオンラインになり、国際学会に参加したが旅費がかからなかった。また、発表がKeynote講演で学会参加費が免除されたため、次年度以降の学会出張旅費および学会参加費に充当する目的で次年度使用学とすることにした。
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Research Products
(2 results)