2020 Fiscal Year Research-status Report
気液界面に生じる柔軟薄膜のシミュレーション技術に関する基礎研究
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19K04243
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
中川 慎二 富山県立大学, 工学部, 教授 (30337878)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | cfd / openfoam / 膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
気液界面に存在する柔軟な固体薄膜・皮膜の動きを気液流動とともにシミュレーション可能とする技術を開発することを目的とし,研究を推進した。膜の運動を再現するために,その膜の一部の代表点として粒子を与え,粒子間に膜の物理特性を表現するバネを配置する「多粒子系膜モデル」を採用した。 シミュレーションプログラムのベースとして,オープンソースソフトウェアのOpenFOAMを採用した。これにより,様々な計算機環境でのシミュレーションが可能となる。これまでの研究成果として,OpenFOAM 4(OpenFOAM Foundation公開版)およびOpenFOAM v1612(OpenCFD公開版)に対応する多粒子系膜モデルのソースコードを開発してきた。最新のスーパーコンピュータ環境などへ対応するために,さらに新しいバージョンのOpenFOAMへの対応を進めた。 これまでのプログラムの問題として,メッシュの品質が低い場合に粒子の移動追跡が破綻することがあった。これを防ぐために,粒子の追跡には従来のグローバル座標ではなく,テトラセル内の重心座標を使うこととした。膜変形については,メッシュサイズよりも大きな空間スケールでの動きを考えることになるため,グローバル座標を用いる。さらにソースコード全体を見直し,重複したコードの削除など,今後の機能追加を容易にするための作業を実施した。 更新したプログラムを用いて,固体膜の圧縮および曲げに関する数値シミュレーションを実施し,その有効性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ対応のため,学生が学内へ立ち入れない期間・遠隔講義となる期間があった。これらの影響を受け,研究の進捗に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
多粒子系膜モデルの予測精度を向上させるため,配置する粒子モデルを改良する。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響を受け,研究進捗に遅れが出たため,学会での成果発表を取りやめた。それに関わる経費を使用しなかった。次年度には遅れを取り戻し,学会等で成果を発表するために使用する。
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Research Products
(1 results)