2021 Fiscal Year Research-status Report
ベルクランク機構を導入したミニチュア超音波モータの開発
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19K04252
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
長縄 明大 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (70271872)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 超音波モータ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は,ミニチュア化した超音波モータのステータ(形状は直角タイプ)に対する基礎特性と,ステータにロータを配置して回転させたときの速度特性などの測定を行った. 令和3年度は,令和2年度に引き続き,ステータの基礎特性やロータを回転させた場合の速度特性などの測定を行った.その結果,基礎特性としては,圧電素子の変位量が0.06 umであったのに対して,ベルクランク機構の先端部の変位が0.15 umであり,変位拡大率が2.5倍であることが確認でき,概ね設計通りの結果が得られた.一方,ロータを回転させる実験において,回転速度が約95 mm/sであり,令和2年度の約1/3程度の性能しか出ていないため,ロータと板状部材の接触位置に関する検討を行った. また,ステータに導入しているベルクランク機構の角度を,直角から135 deg方向へ変更した場合のCADを用いた設計や,有限要素法に基づく解析を行った.なお,機構設計においては,板状部材を差し込むヒンジ部の寸法を変えた場合の検証も行った.その結果,ヒンジの高さを0.23 mmとした場合において,圧電素子の変位量に対し,ベルクランク機構で得られる変位量の拡大率は2.67倍となり,直角とした場合と同等の拡大率が得られることが確認できた.令和4年度においては,設計した135 degの角度を有するベルクランク機構を実際に製作し,基礎特性やロータの回転性能に関する検証を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度は,ミニチュア化したベルクランク機構の基礎特性として,変位拡大率や周波数応答の測定などを行ったが,途中,変位計を修理に出すこととなり,実験に多少の遅れを生じることとなった.また,ベルクランク機構の角度を直角から135 degへ変更した場合のCADを用いた設計を行った結果,変位拡大率が2.67倍の結果が得られ,概ね目標通りの結果が得られた.今後は,設計したステータを実際に製作し,基礎的な性能検証をした後,ステータの構造などに改善点がある場合には,設計の見直しなどを行いながら性能向上を目指す予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度までに,ベルクランク機構の角度を直角から135 degへ変更した場合のミニチュア超音波モータのステータの設計ならびに有限要素解析まで行うことができたため,令和4年度は実際にステータを製作し,実験的に変位拡大率や共振特性を測定し,またロータを回転させる実験装置の設計製作を行い,ミニチュア超音波モータの性能を検証する予定である.
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Causes of Carryover |
令和4年度は,令和3年度に設計したステータを実際に製作し,変位特性や周波数特性などの基礎特性のほか,ロータを回転させた場合の速度特性など測定を行い,これらの結果を踏まえて,ステータの再設計を行う予定である.次年度の使用額については,新型コロナウイルス感染拡大の影響により旅費を活用することができなかったが,その経費を実験や設計に必要な物品を購入して研究を進める予定である.
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