2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on magnetic levitated self-bearing motor and magnetic levitated pump using multiple single-axis magnetic bearings
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19K04266
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
小沼 弘幸 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 准教授 (90520841)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 磁気軸受 / 磁気浮上モータ / セルフベアリングモータ / 磁気浮上ポンプ / ターボポンプ |
Outline of Annual Research Achievements |
ポンプを動かした状態で磁気浮上モータの修理を行うことができる磁気浮上ターボポンプを実現するために、浮上ロータの外側に1軸磁気軸受群を配置することにより故障時に取り外し交換が可能な構造とした磁気軸受とモータの機能を有するセルフベアリングモータとそれを用いた磁気浮上ターボポンプを開発する。個々の1軸磁気軸受には渦電流センサを搭載するが、市販の渦電流センサは近い距離に複数のセンサを配置するときには干渉を避けるため、発振回路の周波数を異なるように大きくずらしたものとしている.周波数が異なるものを使用するには個数に限界がある.同一の発振回路からの搬送波を利用すると干渉しないようにできる.同一の発振とするために主となる1軸磁気軸受の渦電流センサアンプからほかの1軸磁気軸受の渦電流センサアンプに搬送波を送ることが考えられるが,主となる1軸磁気軸受が故障したときにほかの1軸磁気軸受の1つが主となる1軸磁気軸受になるように滑らかに移行する必要がある.このようなことを実現することができる渦電流センサは市販にはない. 今年度、センサアンプ(簡易な回路で構成した発振回路・共振回路・検波回路)と渦電流センサプローブ(コイル)からなる渦電流センサを2つ試作し,センサの干渉について確認した。2つの渦電流センサのセンサアンプを同一発振器とした場合、同一発振器で位相を加えた場合,異なる発振器を使用した場合の3つの場合で確認した。その結果、同一発振器と位相がある場合のノイズは、ほとんど差がないことが分かった.また,発振器が異なる場合では、ノイズが大きくセンサ同士が干渉し合っていると考える。そのため、同一発振器とすることが好ましく、同一発振器であれば位相があっても動作にあまり影響はないことが分かった。これは発信回路からの搬送波に遅延があっても問題ないと考える結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の計画は次の①~④の項目を2019年度に①②、2020年度に②③、2021年度に③、2022年度に④の項目を行うこととしている。「①同調動作する渦電流センサの開発 ②1軸磁気軸受群による磁気軸受の開発 ③1軸磁気軸受群によるセルフベアリングモータの開発 ④セルフベアリングモータを用いた磁気浮上ターボポンプの開発」 今年度、渦電流センサの試作を行いセンサの干渉について確認した。2020年度において、3つ以上の渦電流センサとして、主となるセンサアンプが故障したときにほかの1つのセンサアンプが主となり動作する方法を確立する。 磁気軸受機能とモータ機能を一体としたセルフベアリングモータの開発に始めから取り掛かることには困難をきたす恐れがあることが予想されるため、まず、一端を軸方向に支えた浮上ロータとした1軸磁気軸受群(電磁石と渦電流センサにより構成)による径方向磁気軸受の開発を行うこととした。今年度、試作機の設計を行った。また、使用するコントローラと渦電流センサの位置検出比較用のレーザ変位計の検討を行った。2020年度において、試作機の製作、コントローラとレーザ変位計の選定を行い1軸磁気軸受群による磁気軸受の開発を行う。 ①②ともに故障を検知し故障個所を考慮した磁気浮上回転制御、修理完了時には正常時の磁気浮上回転制御へと滑らかに移行することを2020年度に行う計画であるが、実現には時間を要する可能性がある。 以上から「やや遅れている」と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度において、3つ以上の渦電流センサとして、主となるセンサアンプが故障したときにほかの1つのセンサアンプが主となり動作する方法を確立する。まず、2つの場合で主となるセンサアンプからの搬送波の受信・非受信の検知、非受信時に自身の発振器での動作することを実現させる。その後、3つ以上での動作の確立を目指す。 また、コントローラとレーザ変位計の選定を行い1軸磁気軸受群による磁気軸受の開発を行う。1軸磁気軸受を6個とした磁気軸受を想定しているが、初めは2個で故障を検知し故障個所を考慮した磁気浮上制御系および修理時の磁気浮上制御系を開発する。1軸磁気軸受を6個とした磁気軸受を開発後、1軸磁気軸受群によるセルフベアリングモータ化への検討を行う。
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Causes of Carryover |
研究代表者の校務の多忙などにより、学会発表などに参加できなかったこと、研究計画が遅れてしまったことがあげられる。そのため、主に研究で使用するコントローラの選定や磁気軸受の試作がまだできておらず、次年度使用額が生じた。 次年度において、主にコントローラの購入費用や磁気軸受の試作費用として物品費、学会発表・参加のための旅費、投稿論文の掲載費用としてその他費用として使用する予定である。
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