2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on magnetic levitated self-bearing motor and magnetic levitated pump using multiple single-axis magnetic bearings
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19K04266
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
小沼 弘幸 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 准教授 (90520841)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 磁気軸受 / 磁気浮上モータ / セルフベアリングモータ / 磁気浮上ポンプ / ターボポンプ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ポンプを動かした状態で磁気浮上モータの修理を行うことができる磁気浮上ターボポンプを実現するために、浮上ロータの外側に1軸磁気軸受群を配置し故障時に取り外し交換が可能な構造とした磁気軸受とモータの機能を有するセルフベアリングモータ、それを用いた磁気浮上ターボポンプを開発する。 今年度は、1軸磁気軸受群による磁気軸受の開発を行った。本研究で開発する磁気軸受に使用する1軸磁気軸受システムは電磁石、駆動アンプシステム、渦電流センサシステム、コントローラ用マイコンボード、電源からなる。この1軸磁気軸受システムを6つ用いて磁気軸受とした。電磁石はコの字状のコアにコイルを設けている。磁気軸受のロータは外径40 mm、厚さは渦電流センサによりロータ径方向位置を検出するセンサターゲットを含めて30 mmとした。ロータとステータ間のエアギャップは1 mmとした。制御系簡素化を図るためロータは軸方向の変位をケーシングにより抑制し径方向磁気支持のみとした。駆動アンプシステムは、コントローラからのPWM信号からデジタルアンプにより電圧を発生させる。また、電流センサを設け電流センサからの出力を駆動アンプ用コントローラに入力しPID制御によりPWM信号のDuty比を調整することで電流制御を行えるシステムとした。渦電流センサは、磁気軸受全体において同一の発振回路からの発振波を利用することでセンサ間の干渉を回避する。同一の発振回路が故障した場合でも渦電流センサの機能を継続させるため、磁気浮上モータが正常な場合は同一の発振機能を担う発振回路をメイン、メインが故障した場合は同一発振を担う発振回路をサブ、サブも故障してしまった場合には残りのシステムに搭載された発振回路を利用して渦電流センサの機能を継続させる。これらを用いて1軸磁気軸受群による磁気軸受の製作を行い径方向磁気支持に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の計画は「①同調動作する渦電流センサの開発 ②1軸磁気軸受群による磁気軸受の開発 ③1軸磁気軸受群によるセルフベアリングモータの開発 ④セルフベアリングモータを用いた磁気浮上ターボポンプの開発」の項目を2019年度に①②、2020年度に②③、2021年度に③、2022年度に④を行うこととしていた。 今年度は、②1軸磁気軸受群による磁気軸受の開発を行った。磁気軸受に使用する1軸磁気軸受は電磁石、駆動アンプシステム、渦電流センサシステム、コントローラ用マイコンボード、電源からなる。この1軸磁気軸受を6つ用いて磁気軸受を開発した。計画では2020年度に行うこととしていたが、コロナ禍の影響でやや遅れていたことで2021年度に磁気軸受の開発がずれ込んでしまった。さらに、コロナ禍の影響で電子部品などの入手に時間を要したことやそれに伴い設計変更を行ったため磁気軸受の開発が2021年度いっぱいまでかかってしまった。2022年度において、セルフベアリングモータの開発およびそれを用いた磁気浮上ポンプの開発を行う。 現在までの進捗状況から2022年度に③④の項目を行うことなるため「やや遅れている」と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度において、セルフベアリングモータの開発およびそれを用いた磁気浮上ポンプの開発を行う。2021年度に渦電流センサシステムの渦電流センサの機能を継続させるための同一発振機能移行制御システムを開発したが、磁気軸受で1軸磁気軸受が故障した際の制御についての検討は行えなかった。2022年度において、1軸磁気軸受が故障したときの磁気浮上制御系および修理時の磁気浮上制御系を開発する。そして、1軸磁気軸受群によるセルフベアリングモータとポンプの開発を行う。故障時の制御が複雑なものになると使用しているマイコンボードでは処理しきれなくなる恐れがある。その際は、コントローラを再検討する。コロナ禍の影響で物品の入手に時間がかかるため、早めに今後必要な物の購入をして行く。
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Causes of Carryover |
研究成果発表がオンラインであったことから旅費が発生しなかったこと、コロナ禍の影響で予定していた物品が無く設計変更したこと、物品の入手にも時間がかかったこと、研究代表者の校務多忙のために研究計画がやや遅れてしまったこと、これらにより次年度使用額が生じてしまった。 2022年度において、主に電子部品の購入費用やセルフベアリングモータとポンプの試作費用として物品費、学会発表・参加のための旅費、投稿論文の掲載費用としてのその他費用として使用する予定である。
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