2022 Fiscal Year Research-status Report
Study on magnetic levitated self-bearing motor and magnetic levitated pump using multiple single-axis magnetic bearings
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19K04266
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
小沼 弘幸 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 准教授 (90520841)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 磁気軸受 / 磁気浮上モータ / セルフベアリングモータ / 磁気浮上ポンプ / ターボポンプ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度、1軸磁気軸受群による磁気浮上ポンプの実現に向け、ポンプ形状とセルフベアリングモータの検討を行った。 本セルフベアリングモータのロータは、径方向位置検出用ターゲットリングをロータヨーク片端に設けているため軸方向に長い。そこで、ロータ内筒部を利用した斜流ポンプ形状を流体解析で検討を行った。しかし、検討した斜流ポンプ形状ではポンプ性能が低く、十分な吐出性能を得るにも高い回転数が必要であったことから、遠心ポンプ形状で検討を行った。その結果、回転数3000 rpmで開発目標の流量5 L/min、圧力13 kPaを達成しうる形状を見出すことができた。 本セルフベアリングモータの回転制御と磁気支持制御の独立性について磁場解析を用いて確認した。ロータヨーク外筒面の両端には磁極が異なるように永久磁石が配置される。ロータ外周にはコの字型の電磁石が複数個設けられる。ロータ回転軸方向に垂直な断面でのロータ両端の磁極配置は正反対の磁極配置となる構造的特徴を持つ。ロータ片端2極磁界としたロータで電磁石6つを用いた形状で検討を行った。P±2極理論での磁気支持制御の検討の結果、回転制御と磁気支持制御の独立性は確認できたが、ロータ回転角度位置でd軸とq軸方向制御力に大きな差が生じた。そこで、ロータ片端2極磁界としたロータの構造を利用しロータ片端で電磁石による磁界を1極とする新制御方式を検討した。その結果、d軸方向制御力はより強い制御力を発生し差が少なくなった。構造上、q軸方向の制御には使用できない。また、電磁石6つの形状では永久磁石による径方向負ばね力が不均一で磁気支持制御が難しくなると考え、新制御方式は使用できないがロータ片端4極磁界としたロータで電磁石8つを用いた形状の検討を行った。磁気支持制御の検討の結果、ロータ片端で2極磁界よりはロータ回転角度位置で制御力に大きな差が生じなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の計画は「①同調動作する渦電流センサの開発 ②1軸磁気軸受群による磁気軸受の開発 ③1軸磁気軸受群によるセルフベアリングモータの開発 ④セルフベアリングモータを用いた磁気浮上ターボポンプの開発」の項目を2019年度に①②、2020年度に②③、2021年度に③、2022年度に④の項目を行うこととしていた。 2022年度は、③の項目の研究を行った。セルフベアリングモータとそれを用いた磁気浮上ターボポンプの実現のため、ポンプ形状の検討、セルフベアリングモータの検討を行った。ポンプ形状、セルフベアリングモータの検討ともにより良い形状とする模索の時間を多く費やした。また、コロナ禍による研究遅延を2022年度中までに取り戻すことはできなかったため、研究の進捗は当初の計画から遅れてしまっている。今年度設計した結果をもとに2023年度において、セルフベアリングモータの開発およびそれを用いた磁気浮上ポンプの開発を行う。 現在までの進捗状況から2023年度に③④の項目を行うことなるため「遅れている」と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度において、昨年度検討した形状でセルフベアリングモータの開発およびそれを用いた磁気浮上ポンプの開発を行う。1軸磁気軸受が故障したときの磁気浮上制御系および修理時の磁気浮上制御系を開発する。故障時の制御が複雑なものになると考え、1軸磁気軸受個々に渦電流センサを設けて制御するのではなく、渦電流センサシステムとしてセンサ故障時の継続の機能を有していることからセンサシステムを独立させることを検討し、セルフベアリングモータを実現させる。コロナ禍の影響で物品の入手に時間がかかるため、早めに今後必要な物の購入をして行く。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で物品の入手に時間がかっかたこと、設計を変更したこと、研究代表者の校務多忙のために研究計画が遅れてしまった。 研究計画を2023年度に延長し、主に電子部品の購入費用やセルフベアリングモータとポンプの試作費用として物品費、学会発表・参加のための旅費、投稿論文の掲載費用としてのその他費用として使用する予定である。
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