2021 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー共鳴周波数解析による医療インプラント設置強度の診断手法の開拓
Project/Area Number |
19K04286
|
Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
錦野 将元 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子ビーム科学部門, 研究統括 (70370450)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 登 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光科学研究所 光量子科学研究部, 主幹研究員 (50360409)
三上 勝大 近畿大学, 生物理工学部, 講師 (20722763)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | レーザー / 誘起振動波 / 整形外科 / インプラント / ネジ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに評価した摩擦と整形外科インプラント (椎弓根スクリュー) との相関関係をもとに、有限要素法による簡易解析モデルの開発を実施した。有限要素解析では、実使用環境に近いモデリングを目指し、人体骨の構造を皮質骨部分と海綿骨部分の2つの部分に分けた土台を簡易モデルとして検証をした。皮質骨の厚さおよびその密度によってインプラントを模擬したM6ボルトの固有振動の分散が大きくなるため、有限要素法による簡易解析モデル、およびそのモデルを用いた簡易な設置強度推定は困難であった。今後、より詳細な骨構造およびそのパラメータの統計的情報と結びつけた解析手法の開発が必要である。一方、簡易解析モデルでの評価が困難にもかかわらず、インプラントの設置強度指標として用いている埋入トルクと、レーザー照射により誘起される最も強く振動する周波数 (ピーク周波数) には明確な相関関係が確認されているため、誘起された振動情報には、潜在的に設置強度を示すパラメータが内包されている。そのような振動情報に潜在的に含まれる設置強度のパラメータを見出すため、研究分担機関において機械学習による解析を導入した。解析に用いる入力データ (説明変数) は後の物理モデルへの適応を見通すため、ピーク周波数の他、その強度や歪度、尖度など複数の説明変数を作成することとした。Lasso回帰 (正則化最小二乗法) にBootstrap法 (復元抽出法) を組み合わせた複数試行により、目的変数となる設置強度を説明するための変数の優先順位付けを達成した。また、計測装置開発としてボルトの固有振動を計測するための小型計測装置の開発やレーザー誘起の際に発生するレーザー照射痕を発生させずに振動を誘起するための手法の開発を進めた。
|