2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of passive type fatigue quantification device for biological control systems
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19K04302
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
菊池 誠 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 教授 (20270217)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ストレス / 疲労 / 非侵襲計測 / 生体制御系 / システム同定 / モニタリング / パッシブ |
Outline of Annual Research Achievements |
血液中の白血球の数や唾液中に含まれるアミノ酸量の変化でストレスや疲労状況を定量的に評価するという従来の方法は、測定に際して身体に物理的または精神的負荷を与え、その測定自体がストレスになることがあり、測定することで被験者の心理状態に影響を与えてしまい、状況に応じた正しい評価値が得られないといった問題がある。また毛細血管中の血流の変化による測定法など、一部の測定方法を除き、測定方法の多くが基本的にオフライン測定であるため、それらの評価値が過去の疲労履歴に利用できることはあっても、その値を使ってストレスを緩和するといった実時間での処置に結び付けることは難しい。このことは測定の応用範囲を狭める原因にもなっている。 このような状況を踏まえて動画像の収集など、受動的に得られる生体情報からオンラインでストレスや疲労状況を低負荷で定量化できる簡易的な測定法の開発は、就労中の疲労管理など、医療分野以外への応用を促す可能性がある。ここでは屋内環境で活動する被験者を想定して、制御系内の主要な生体情報、例えば筋骨格系の活動量や神経系の反応時間・利得などの制御パラメータの変化をカメラ動画像から推定する手法の提案を試みる。今年度は動画像の収集装置を構築しながら、生体情報と制御パラメータを相関付けるアルゴリズム「CNNs(Convolutional Neural Networks)とARMAX(Autoregressive-moving-average model with exogenous inputs model)を使用した生体制御系のパラメータ推定」の提案と検証を実施して、その結果を関連学会に報告した。 今後は装置の構築と改良、動画像をストレスや疲労状況と相関付けるためのデータ収集や情報処理プログラムの作成と改良、CNNsによる学習とそのパラメータの最適化について作業と検証を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全体的にはおおむね順調であるが、一部の作業プロセスで遅れが生じている。具体的には、当該年度の主な作業は動向調査などの情報収集と実験装置の構築であるが、その中で情報収集については、おおむね順調に作業が進み、当初の目的を達成できたと思われる。一方、実験装置の構築については、全体構想、概念設計、必要品の選定・発注等の作業は、おおむね順調であったが、動画像を採集する装置とソフトウエアを連携させる部分の技術的課題で作業が予定よりも遅れている。このことに関連して、システムの構築、試験・検証、測定関連の作業が予定よりも遅れている。また、社会情勢の変化により優先順位の高い業務が予想外に増加したため、本研究に必要な活動時間が制限されている。現在、可能な範囲で作業を進めており、今後、社会情勢を鑑みながら、早急に回復できるように作業を進めている。この停滞の影響で上記技術的課題部分の作業が遅れている。今後とも回復作業に引き続き重点を置きながら順調な進展を目指す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には計画に従って作業を進めるが、技術的課題部分については重点的に時間を配分して作業を進める。また可能な限り並行して動画像を用いた同定システムの構築を進めて、改良や検証を重ねてシステムの構築を目指す。今後、屋内環境下(オフィスなどの室内)でシステム同定に利用できる入力画像および動画を屋外からの環境変化(昼夜や天候による明るさの変化)の影響を受けないで安定して採集するシステムを構築した後、生体制御系のパラメータ同定が安定して実行できるかどうかを評価する。また、処理系の実行速度の実用性についても評価用データを用いた処理実験を繰り返して確認する。その後、実際に採集した動画像データを基に屋内環境下(オフィスなどの室内)で起こりえる特徴的な姿勢や動作パターンを対象として、システムの動作状況を評価する。また、測定装置の小型化や構成部品の最適化についても改良を重ねて、低コストで使いやすいシステムの構成を目指す。以上、現時点で研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での重大な課題等は特にないため、基本的には計画に従って作業を進める予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は物品購入の際、市場での価格変動等により、想定した価格と実際の価格との間に差異が生じたためであり、この次年度使用額は次年度の電子部品購入に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)