2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of passive type fatigue quantification device for biological control systems
Project/Area Number |
19K04302
|
Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
菊池 誠 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 教授 (20270217)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 非侵襲計測 / 生体制御系 / システム同定 / モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
カメラから動画像を取り込み、その情報から対象の位置や姿勢の変化を三次元的に捉えることで対象の行動を分類して、その結果を対象のプロファイルと紐づける。このことで類似する行動パターンが再現した際に、既に記録してあるプロファイルの中から、類似するパターンを想起できるシステムの構築を目指す。その際に行動の種類、教師データとの類似性を客観的に評価する。一般的に対象の形や位置の変化は、カメラの影になる部分を除けば、2つのカメラ画像から得られる視差を利用して調べることができる。しかし、遠景では視点間距離が相対的に小さくなるため、カメラを増やしても効果的ではなく、視差から得られる情報はそれほど多くない。一方、近景では視差を利用した情報採集が期待できるが、影の影響は避けられない。そこで、研究では正面、側面、上面の3方向からの動画像を採集して、対象の位置や姿勢の違いをより詳細に記録して、相関付の教師データとして利用する。 該当年度は画像から対象を抽出して追尾するシステムを構成した。また対象の三次元情報を採集する撮影環境と画像処理システムを構成しながら、CNNsと連動する周辺プログラムの改良を行った。その後、対象の位置や姿勢の識別、その時間推移を含む画像情報を抽出するシステムを試作した。研究では教師データをCNNs(Convolutional Neural Networks)に与えて、教師データの特徴をCNNsの重み空間として保存した。機械学習終了後、教師データとは異なる未知の行動パターンをCNNsに与えて、相関の高いものを抽出して、これに紐付けられたラベルやプロファイルを参照した。 今後は継続して装置の改良を行い、動画像とプロファイルを関連付けたデータ収集及びその処理手順の改良、機械学習とそのパラメータの最適化について、社会情勢を鑑みながら被験者を伴わない形態で作業と検証を実施する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
全体的には遅れている。特にシステム構築の一部のプロセスで遅れが生じている。また、今後、被験者を伴う作業や実験等においても遅れや作業内容の変更が予想される。具体的には、当該年度の主な作業は情報収集や機器準備及び実験装置の構築であった。その中で情報収集や機器準備はおおむね順調に作業が進み、当初の目的を達成できたと思われる。しかし、実験装置の構築については動画像を採集する装置とソフトウエアの構築及びそれらと連携する部分のプログラムの作成が遅れており、全体的にシステム構築が予定よりも遅れている。これと連動して、システムの試験・検証、特に測定関連の作業が予定より遅れている。また今年度も昨年度から引き続く社会情勢の変化により、緊急性の高い業務が想定を超えて増加したため、本研究に必要な活動時間が制限された。また、予備実験や測定実験にも想定外の配慮が必要となり、研究に必要な時間も増えている。現在、社会情勢を鑑みながら慎重に進めており、今後機会を見て、早急に進展できるように可能な範囲で研究・開発作業を進めている。昨年度に引き続き、回復作業に重点を置きながら順調な進展を目指す予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
当面の目標は主にシステム構築に必要な技術的課題の克服とそれに必要なエフォートの確保であり、同時に被験者を伴う実験での安全性の確保である。技術的課題については昨年度に引き続き、業務改善等で捻出したエフォートを効果的に利用して、技術的に問題の無い部分から優先して作業を進めることで推進上の問題を明確化する。また、確認作業などを並行して実施できる部分およびデータのラベリングや単純な前処理については、専用のプログラムを作成することで自動化して時間短縮を図る。さらに、被験者を伴う実験においては、事前に準備できる確認作業や試行錯誤する部分については可能な限り無人化を図り、手順を整理・再考することで動画像を利用する同定システムの構築を進める。基本的に、被験者を伴う実験を最小限に抑えながら、システムの改良や検証を行い、システムの構築を目指す。また、仮に被験者を伴う実験が必要となる場合はできる限り短時間で小規模な実施形態となるように配慮する。最終的な目標として、実際に採集した動画像データを基に屋内環境下(オフィスなどの室内)で起こりえる特徴的な姿勢や行動パターンを対象として、システムの動作状況を評価する。当面のところ、継続して装置の改良を行い、動画像とプロファイルを関連付けたデータ収集及びその処理手順の改良、機械学習とそのパラメータの最適化に関して、社会情勢を鑑みながら被験者を伴わない形態での実施を目指す予定である。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は物品購入の際、市場での価格変動等により、想定した価格と実際の価格との間に差異が生じたためであり、この次年度使用額は次年度の電子部品購入に使用する予定である。
|