2020 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of Optimal Reactor Structure for Water Treatment in Electric Discharge in Water and on Gas-Liquid Interface
Project/Area Number |
19K04323
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
須貝 太一 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (20535744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江 偉華 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (90234682)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 水中放電 / パルスパワー / コムソル |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目の研究では水中放電実験のための電界シミュレーション及び電極設計、論文調査を主に行った。論文より水中放電のメカニズムや絶縁破壊電界を調査した土台で、シミュレータ(コムソルマルチフィジックス)により、電界分布および水中を流れる電流の水中放電電極構造による影響を調べ、高電圧電極径が小さいほど電界が強くなること、及び電極の表面積が大きく、水の導電率が高いほど水中のイオンによって流れる電流が増加することを確認した。これをもとに放電のための電極形状として、次の点対平板電極を設計した。点電極は、同軸線路の中心導体を用い、中心導体の被膜を一部だけ剥ぎ取ることで、水中の無駄なイオン電流が数アンペア以下になるように抑えている。平板電極として金属メッシュを使用し、ネジ部により電極間隔を可変できるようにしている。この電極に1年目で製作しているパルス電源で電極間間隔に数十キロボルトの高電圧を印加することで、絶縁破壊電界に達し、水中で放電が発生可能であることをシミュレーションより確認した。今後これを用いて、水中放電の電界の大きさ・印加時間・タイミング・極性及び電極間距離の影響を調べる予定である。 また、シミュレーションにより水中電極間に気泡あるいは空気電極間に水滴がある場合に、気泡及び水滴表面部分に電界が集中するのを確認した。このため、気液表面のみでのプラズマ生成が可能であることがわかったので、今後ガス中での放電と気液表面での放電の効果の違いについて検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、水中実験まで行い評価する予定であったが、まだ設計を完了した段階であり、やや遅れている。水中放電は非常に複雑な要素が絡まった物理現象であるため、当年度は論文調査に主に時間を要した。本研究のエフォートを更に増やし、残り2年間目標を果たしていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
点対平板の水中放電電極について、電界の大きさ・印加時間・タイミング・極性及び電極間距離を変えた時の放電の違いについて観測すると共にそれによって生成されるOHラジカル及び過酸化水素を測定する。また、事前放電やにUV照射よる予備電離の効果についても実験によって調べる。これらの結果より、各パラメータによる放電とOHラジカルの影響について考察し、高効率でOHラジカルを生成する条件を明らかにする。 次に気泡内放電および水滴表面放電について、水中放電と同様にシミュレーションから最適なリアクタ構造を設計し、各パラメータ(気泡・水滴径、電界極性・時間・タイミング)による放電、OHラジカルと過酸化水素の生成量の違いについて調べる。またOHラジカルの生成機構を調べるために、オゾンを外部からも供給することで、リアクタ内のオゾン濃度を制御した条件で放電量の違いによるOHラジカル濃度を比較し、オゾンより生成されるOHラジカルと放電により生成されるOHラジカルを区別する。 上記の実験の比較及び考察によって、各リアクタの特徴、即ちOHラジカルの生成機構やエネルギーの行方の違いを明らかにし、最適なリアクタ構造を提案する。
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Causes of Carryover |
研究進捗が遅れ気味で、当初予定していた水中放電リアクタの製作ができていないため、その製作費がまだ使えていない。リアクタは次年度初めに製作するので、それに繰り越した費用を当てる予定である。また、翌年度分として請求した助成金は当初の予定通り、気泡内放電リアクタ、水滴表面放電リアクタの製作費及び放電計測・ラジカル計測のための消耗品に当てる予定である。
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