2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of a dynamic discharge model on wet contaminated insulators taking the discharge propagation into account
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19K04329
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山下 敬彦 長崎大学, 工学研究科, 教授 (50182499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古里 友宏 長崎大学, 工学研究科, 助教 (70734002)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 汚損沿面放電 / 水溶液 / 接触面積 / 電流密度 / 抵抗率 / 二次電子放出係数 / 放電維持機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,少なくとも片方の電極が水溶液の場合の放電の維持・進展等の動的特性も記述できる放電モデルを提案し,その検証を行うことである。2020年度の目標は,主としてシミュレーションと電流及び放電の広がりの観測結果から得られる電流密度の比較によるモデルの検証を行うことある。 まず,20219年度に必要性が判明した再確認の実験を実施した。次に,電流密度のシミュレーションを実施した。シミュレーションでは印加電圧から放電の等価接触半径を求め,水溶液部分の抵抗を計算した。印加電圧から電極降下を引いた電圧と計算により求めた抵抗から電流を計算した。さらに,放電の等価接触半径から面積を求め,電流を面積で割って電流密度の計算値を得た。計算で得られた値を先行研究の電流密度と比較した結果,比較的よく一致することが明らかになった。 ハイスピードカメラによる放電の観測では,予定していたハイスピードカメラのレンタルが同等の性能を持つICCDカメラの購入に変更になり,納入時期が年度末になったため,2020年度は放電の観測を予備実験にとどめ,本実験は2021年度に実施するように研究計画を変更した。それに伴い,2020年度は電極降下の値を用いて水溶液からの二次電子放出係数の算出を行った。その結果,水溶液からの二次電子放出係数は水溶液の導電率とともに増加し,導電率が高い場合には金属からの二次電子放出係数と比較できる程度になることを明らかにした。この特性は,先行研究の結果とも一致しており,放電が二次電子放出機構によって維持されていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
レンタル予定であったハイスピードカメラを同様の機能を有するICCDカメラの購入に変更した。入札の関係で納入時期が年度末になったため,2020年度は放電観測は予備実験にとどめ,本実験は2021年度に実施することに変更した。また,新型コロナ感染症の影響により,学生の実験への参加が制限された。以上の理由により,研究の実施がやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は,ハイスピードカメラによる放電の観測を実施し,2020年度に推定した放電の接触部分の面積との比較を行い,モデルの検証を行う。
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Causes of Carryover |
計画通り使用したが,少額の端数が生じたため。 次年度使用額は,2021年度交付分と合わせて,電極降下の再確認のための実験の物品購入に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)