2019 Fiscal Year Research-status Report
Extending the cruising distance of fuel cell vehicles by active motor-generator loss control
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19K04335
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
加藤 修平 日本大学, 生産工学部, 助教 (40802294)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 水素燃料電池自動車 / 電気自動車 / 永久磁石同期モータ / バッテリーマネージメント / ハイブリッド自動車 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は開発が期待されている水素を燃料とした水素燃料電池自動車の大きな課題の1つである航続距離(1回の水素充填で走れる距離)を50%増とするブレークスルーを目指している。この目標は電動発電機の損失を積極的に制御する提案法により水素燃料電池自動車の部品点数を減らし、削減したスペースへ追加の水素燃料を搭載することで達成を目指している。
研究計画に基づき(1)理論値計算に必要な電動発電機定数測定、(2)制御用マイコンへの提案ソフト実装、(3)理論値に基づくゼロ発電実験、(4)ベクトル角度必要分解能明確化、を実施した。 (1)(2)については事前に計測した電動発電機定数を用いてオンライン駆動状態において要求ブレーキトルク設定値を用いてゼロ発電の電流進角を計算する提案ソフトウェアを実装した。 (3)については水素燃料電池自動車の駆動部分を模擬した定格2000VAの永久磁石同期電動発電機(定格6000rpm)を用いて実験を行い、機械軸にブレーキトルクが発生する状態でゼロ発電が達成できることを実験的に実証した。具体的な数値としては機械軸に動力で約400Wのブレーキが発生している状況でゼロ発電(直流側への発電がゼロワット)が達成できた。さらに本研究の応用は主に短時間用途であるため、電機子電流を短時間定格値まで増加させることができれば、より大きなブレーキトルを得られる。 (4)については(3)で述べた永久磁石同期電動発電機に実装した回転角度検出器の精度は約1.39度(電気角度で360度あたり4逓倍済500パルス)まで低下させてもゼロ発電の精度に影響がないという指針を得た。さらに低下させる場合はソフトウェア補完などの手法を用いる必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
提案法の実装とミニモデルによる実験検証については概ね計画通り実施できている。ただ、電動発電機の諸定数(パラメータ)は多くの因子により変化するため、オンライン駆動状態において要求ブレーキトルク設定値を用いて計算したゼロ発電の電流進角と実際のゼロ発電となる電流進角には差異が大きい。そのため、電動発電機の諸定数(パラメータ)を精度良く求める方法については今後の課題の1つとする。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に基づき電動発電機の温度上昇測定、風力発電機過回転防止等の様々な電動発電機の緊急時ブレーキ安全装置への技術移転について研究する予定である。
また、提案法は比較的高い直流電圧を必要とする課題があるため、これらの抑制手法についても今後の研究計画に加える。具体的には電流指令値に変動成分を追加することにより低い電流指令値でありながら変動成分により損失を積極的に制御し、ゼロ発電の達成を目指す。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は研究協力者の高精度計測機器、バッテリー模擬電源、駆動用電動発電機の利用により物品費を格段に削減できたためである。使用計画は研究計画に基づき電動発電機の精密な温度計測等に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)