2020 Fiscal Year Research-status Report
ダイヤモンドライクカーボン膜の除膜メカニズムの解明と高速・大面積除膜技術の開発
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19K04349
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
谷本 壮 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 准教授 (60582765)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 酸素プラズマ / ダイヤモンドライクカーボン / 除膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダイヤモンドライクカーボン膜は,高硬度,耐摩耗性等の優れた特徴をもち,機械部品,自動車部品,工具や金型等の保護膜などに用いられている。保護膜に用いられているダイヤモンドライクカーボン膜は,使用頻度の増加や長期利用に伴い劣化する。このようにダイヤモンドライクカーボン膜の劣化,経年劣化品等からダイヤモンドライクカーボン膜のみを母材から取り除き,母材を再利用したいといった要望がある。本研究では,ダイヤモンドライクカーボン膜を取り除く方法として酸素プラズマに着目し,ダイヤモンドライクカーボン膜の除膜を試みる。そして,ダイヤモンドライクカーボン膜の除膜メカニズムの解明,除膜技術の開発を目指している。 本年度は,酸素プラズマを用い除膜したダイヤモンドライクカーボン膜の解析を行った。ダイヤモンドライクカーボン膜の解析では,除膜前後のダイヤモンドライクカーボン膜の膜表面から深さ方向におけるプロファイルをX線光電子分光装置を用い計測した結果について解析した。除膜前後において,膜表面には表面酸化層が検出された。膜表面から深さ方向では,酸化層は検出されなかった。膜表面の酸化層は,主に除膜装置とX線光電子分光装置との装置間移動をする際,サンプルが大気にふれることにより形成されたものと考えられる。酸素プラズマを用いた除膜装置において,ダイヤモンドライクカーボン膜は膜表面から除膜されていることが確認できた。また,新たに開発を進めている除膜装置について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
酸素プラズマにより除膜したダイヤモンドライクカーボン膜の評価について進めることができた。継続し開発を進めている除膜装置について,物品の調達,装置の組み立て・調整等に時間を要し,酸素プラズマの生成までにいたっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
継続して開発を進めている除膜装置の開発を進めるとともに,除膜に用いる酸素プラズマの生成条件等を変化させ,プラズマの特性等の計測を行う。また,開発を進めている除膜装置を用いダイヤモンドライクカーボン膜の除膜に取り組む。
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Causes of Carryover |
当初,真空ポンプ等の購入を計画していたが,配分額,除膜に向けたプラズマ装置の開発の状況,コロナウィルス感染症に伴う物品の納品時期等の観点から検討を行い購入を行わなかった。また,当初参加を予定していた学会等への参加ができなかったため次年度への使用額が生じた。次年度,装置の開発,除膜実験等や学会等の成果発表等において適切に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)