2023 Fiscal Year Research-status Report
ダイヤモンドライクカーボン膜の除膜メカニズムの解明と高速・大面積除膜技術の開発
Project/Area Number |
19K04349
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
谷本 壮 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 准教授 (60582765)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 酸素プラズマ / ダイヤモンドライクカーボン / 除膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダイヤモンドライクカーボン膜は,高硬度,耐摩耗性等の優れた特徴をもち,機械部品,自動車部品,工具や金型等の保護膜などに用いられている。保護膜に用いられているダイヤモンドライクカーボン膜は,使用頻度の増加や長期利用に伴い劣化する。このようにダイヤモンドライクカーボン膜の劣化,経年劣化品等からダイヤモンドライクカーボン膜のみを母材から取り除き,母材を再利用したいといった要望がある。本研究では,ダイヤモンドライクカーボン膜を取り除く方法として酸素プラズマに着目し,ダイヤモンドライクカーボン膜の除膜を試みる。そして,ダイヤモンドライクカーボン膜の除膜メカニズムの解明,除膜技術の開発を目指している。 本年度は,立ち上げを行っている除膜装置を用い,酸素プラズマの計測およびダイヤモンドライクカーボン膜の除膜を行った。また,除膜時に生成されるイオン等について質量分析装置を用い計測を行った。 酸素ガス流量および除膜装置内の真空度を変化させダイヤモンドライクカーボン膜の除膜を行った。除膜に使用したダイヤモンドライクカーボン膜は,ta-C膜およびa-C:H膜の2種類用いた。ダイヤモンドライクカーボン膜の膜種の違いにより除膜速度の違いを計測した。酸素ガス流量1sccmから3sccmの間では,流量による除膜速度の違いはこれまで計測されなかった。しかしながら,酸素ガス流量を10sccmまで増加させた場合,3sccmに比べて除膜速度はa-C:H膜で約1.2倍,ta-C膜で約1.1倍向上した。また,質量分析装置の計測より二酸化炭素や炭化水素等のイオンの生成を確認した
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウィルス感染症の影響の他,研究外の用務量の増大などの研究環境の悪化に伴い,研究にさけるエフォートが大きく減少した。また,研究を進めるにあたり計測に必要な物品等の購入について検討する必要があり再度選定等に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
新しく立ち上げを行っている除膜装置を用い,除膜速度の向上に向け引き続き酸素プラズマの評価とともに,除膜時等のイオン種等の計測を継続して行い除膜メカニズムの解明を目指す。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス感染症の影響の他,研究外の用務量の増大などの研究環境の悪化に伴い,研究にさける時間が十分確保できず,研究を進めるために必要な物品の選定および学会等での成果発表を十分行うことができなかった。また,研究を進めるにあたり計測等に必要な物品がでてきたため,改めて物品の選定を行っていた。次年度、現在継続して行っている装置の立ち上げ・計測等に必要な物品の他,学会等の成果発表において適切に使用する予定である。
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