2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the generating mechanism of diffuse barrier discharge in air at atmospheric pressure
Project/Area Number |
19K04360
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
大澤 直樹 金沢工業大学, 工学部, 教授 (40454227)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 誘電体表面抵抗率 / 表面電荷密度分布 / 誘電体バリア放電 / 均一バリア放電 / 大気圧タウンゼント放電 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,研究代表者が独自に開発してきた半球棒電極とアルミナ被覆平板電極で構成される誘電体バリア放電装置と計測系を用いて,アルミナ被覆平板電極が陰極のときに発生する均一バリア放電の一種である大気圧タウンゼント放電(APTD: Atmospheric Pressure Townsend Discharge)の発生メカニズムを明らかにすることである。 2021年度は,加湿器を用いた誘電体の表面抵抗率の制御法を開発し,誘電体の表面抵抗率の違いがAPTDの発生状況や誘電体の表面電荷密度分布に及ぼす影響を調べた。その結果,(1)加湿器から発生するミストを誘電体表面に吹付けることにより,誘電体の表面抵抗率を9.99×10^15 Ω/sq以上(測定限界)から5.70×10^11 Ω/sqに制御する方法を開発した。(2)誘電体の表面電位が0 Vとなっている状態では,ミスト吹付けにより誘電体の表面抵抗率を変えてもAPTDは発生しなかった。(3)表面抵抗率が9.99×10^15 Ω/sq以上(測定限界)のときは,交流電圧の印加サイクル数を多くするとAPTDが安定して発生するようになった。一方,表面抵抗率が5.70×10^11 Ω/sqのときは,交流電圧の印加サイクル数を多くしてもAPTDが単独で発生しなかった。(4)APTDが発生する直前の誘電体表面電荷密度分布は,半球棒電極直下部で最も低くなり,表面抵抗率が9.99×10^15 Ω/sq以上(測定限界)のときは-40 nC/cm^2,表面抵抗率が5.70×10^11 Ω/sqのときは-20 nC/cm^2であった。 以上の結果から,誘電体バリア放電装置を用いて大気圧空気中でAPTDを発生させるには,誘電体の表面抵抗率を高くし,誘電体の表面に蓄積される負極性の電荷量を多くすることが重要であることを明らかにできた。
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