2023 Fiscal Year Annual Research Report
先進ガン治療装置の普及を加速させるための超伝導マグネットの極軽量化に関する研究
Project/Area Number |
19K04364
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
尾花 哲浩 核融合科学研究所, 研究部, 助教 (60435518)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 超伝導コイル / 重粒子線がん治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
超伝導技術を活用した重粒子線がん治療用『回転ガントリー』を、国内外の医療施設へ普及させるためには、装置の大幅な軽量化が急務である。そこで、『回転ガントリー』の中核機器である超伝導マグネットの極軽量化を行う。現状の超伝導マグネットには、漏れ磁場遮蔽のために、巨大重量物である鉄ヨークを使用している。その鉄ヨークを一切使用しない“アクティブシールド(能動的磁場遮蔽)型”超伝導マグネットの設計概念を新たに導入することで、マグネット重量の劇的な軽量化を実現する。 アクティブシールド型超伝導マグネットでは、鉄ヨークの代わりに超伝導コイルを用いて、マグネットから周囲に漏れる磁場を遮蔽する。それゆえ、アクティブシールド型超伝導マグネットは、粒子ビーム軌道を曲げるための『偏向磁場用コイル』と『漏れ磁場遮蔽用コイル』の2種類の超伝導コイルから構成される。 2023年度の研究活動によって、これまでのコイル断面形状の設計結果に基づいた『偏向磁場用コイル』と『漏れ磁場遮蔽用コイル』の3次元形状設計を行った。また、設計したコイル形状を用いて、3次元磁場計算を行い、コイルの長手方向と径方向における漏れ磁場を評価した。 本研究成果は、28th International Conference on Magnet Technology (MT28)にて報告した。更に、本成果をまとめた論文が、 IEEE Transactions on Applied Superconductivityで出版された。
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