2020 Fiscal Year Research-status Report
太陽光発電用パワーコンディショナを不要とする衛星用電力制御システムの試作評価研究
Project/Area Number |
19K04365
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
岩佐 稔 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 主任研究開発員 (50836294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 大将 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (40837283)
黒川 不二雄 長崎総合科学大学, 新技術創成研究所, 学術教授 (20140808)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 人工衛星 / 電力制御 / PCU / デジタル制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
提案システムによって、従来から人工衛星のバス電圧制御に必須とされるシャント回路がなくとも、不定の複数電力源の制御安定性を確保し、本当にバス電圧を一定範囲に保てるかどうか、軌道上で想定される運用モードで解析し、検証することを目的として、2020年度は以下の成果を得た。
・構築済みの回路シミュレータに軌道上で想定される運用モード(日照→日陰、日陰→日照、負荷変動、発生電力変動、日照放電)を実装し、バス電圧を一定範囲に保つ制御アルゴリズムの成立性ついて、2019年度に課題として識別した、日陰時における充放電コンバータ(BCDR)の動作切り替え時に伴うバス電圧変動を抑制する制御アルゴリズムの検討も含め、回路シミュレーションで実現性を確認した。ただし、新たに実運用を想定した際に生じる温度による太陽電池電圧の変動に対するバス電圧制御について課題が判明した。 ・上記課題を除き、回路シミュレーションで実現性を確認した制御プログラムをPICマイコンで構成した統合コンピュータ及び各BCDRに実装し、BCDR2台構成にて、軌道上で想定される運用モードでの実機検証を完了した。
2020年度は制御アルゴリズムの課題解決に注力し、2台構成での実機検証までを完了しており、計画していた作業をおおむね完了した。2021年度についても、2020年度に判明した、温度による太陽電池電圧の変動に対するバス電圧制御の課題解決を優先し、4台構成ではなく、2台構成での実機検証を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
制御アルゴリズムの検証において、実運用を想定した際に生じる温度による太陽電池電圧の変動に対するバス電圧制御について課題が判明しているが、回路構成及び制御アルゴリズムの改良で解決できる課題と認識しており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画では最大4台構成での実機検証を予定していたが、制御アルゴリズムにおける課題解決を優先し、本研究期間中においては、2台構成での実機検証を完了することとした。研究提案資料に記載の通り、現行衛星はバッテリ2~4台構成が主流であるが、2台構成で実現性を確認できれば、4台構成への展開も可能である。
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