2019 Fiscal Year Research-status Report
モード分割多重伝送における体積ホログラムを用いたモード交換技術
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19K04366
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡本 淳 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (40224068)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | モード分割通信 / モード交換 / ホログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、まず、1チップのホログラム素子により、同時並行的に空間モードを交換する方法論の提案とその理論的検証を行つた。特に、中核となるホログラムの構成条件を、物理的およびシステム的観点の両面から検討し、ホログラムモード変換素子の実現法を明らかにすることは、本研究目的を達成する上で重要性が高い。具体的には、信号に含まれる特定の空間モード成分を、他の空間モード成分に影響を与えずに、異なる空間モードに変換するホログラム記録法を提案した。従来のホログラム記録とは異なり、強度分布の偏りなどを考慮して、最適なホログラム記録条件を見出すことは重要であり、これをホログラム記録媒質内の3次元光伝搬解析により明らかにした点は、大きな意義がある。さらに、モード交換素子の性能評価指数であるモード間クロストークを評価し、これを改善する新たな方法として、信号光に位相版による空間変調を加えて、強度分布を変化させる方法を提案した。結果として、モード間クロストークが大きく改善されることを示した点に大きな意義がある。
次に、ホログラム素子と空間光変調器を組み合わせることで、如何にして可変的なモード交換を実現するのか、その方法論の提案と基礎的な実験を行った。具体的には、信号光をホログラム素子で分離した後に、空間光変調器に与え、変調パターンの電子的な制御により、信号光の出射回折角の変更が可能であることを実験的に確認した。本実験は、ホログラム素子と空間光変調器の組み合わせによって、可変的なモード交換が可能であることを示す上で、重要な基礎実験であり、学術的な意義が高い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ホログラム素子によるモード交換の方法論の確立と基礎特性を把握している。ホログラム素子と空間光変調器を組み合わせるシステムの基礎実験に成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
シミュレーションならびに実験により、ホログラム素子の最適記録時間・光学入射条件などの物理パラメータを明らかにする。モード交換におけるクロストークを評価し、これをさらに低減する方法を確立する。FMF(フューモードファイバ)からの信号をホログラム素子により空間モード毎に分離し、その後、SLM(空間光変調器)に適切な位相変調パターンを付与することによって、モード毎に可変的偏向制御・透過率制御を行い、所望の出力ポートのホログラム素子に結合するシステムの検討を進める。
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Causes of Carryover |
現有装置の代替により、物品費を安く抑えることができたため、当該助成金が生じた。次年度においてはより高精度な素子の購入に用いる。
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Research Products
(4 results)