2021 Fiscal Year Annual Research Report
モード分割多重伝送における体積ホログラムを用いたモード交換技術
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19K04366
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡本 淳 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (40224068)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | モード分割通信 / モード交換 / ホログラム / 空間光変調器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、まず、ホログラム素子の性能向上に関する実験を進めた。具体的には、従来の2倍の厚さ(1mm)を有するホログラム材料を用い、露光量と回折効率の関係を実験的に明らかにした。厚さ1mmの材料においては、露光量の大幅な拡大が可能であり、その結果として、50%以上の回折効率を実現できることを示した。次に、ホログラム記録後の後露光時間と回折効率との関係性を実験的に明らかにした。3 種類の空間モード LP01、LP11a、LP11b を厚さ 1mm の記録媒質に角度多重記録を行い、後露光量を変化させながら、異波長法により波長 1550nm の読み出し光を照射し、回折光強度の時間変化を測定した。その結果、露光量15mJ/cm2、および、18mJ/cm2の場合においては約 600 秒、露光量20mJ/cm2の場合においては約 400 秒の後露光で回折効率が最大値を取ることが明らかになった。これらの結果は、モード交換機に用いるホログラム素子の性能向上を可能にする点で、大きな意義を有する。 さらに、本年度は、初年度に行ったSLMによる基礎実験の結果を踏まえて、複数コアの光信号を一括して経路制御するための、マルチコア・マルチモード・ジョイントスイッチの実証実験を行った。実験を行った結果、6モード19コアの信号経路を、SLMの制御によって、異なる出力ポートに同時に切り替えることに成功している。また、マルチコア・マルチモードファイバから出射される空間モードフィールドパターンが、ポートの切り替え後にも保持されていることを確認した。特に、出力ポートの空間配置を工夫することによって、最大ポート間クロストークが-11.6dBから-25.1dBに減少することを示した。これらの結果は、モードスイッチならびにモード交換器の大幅な性能向上を可能にする点で大きな意義を有する。
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Research Products
(4 results)