2020 Fiscal Year Research-status Report
3D Environment Modeling for IoT Wireless Network Planning
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19K04369
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 健太郎 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (40756665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 潤一 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (90222083)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 無線通信 / 電波伝搬 / 伝搬シミュレーション / 物理光学近似 / 開口面法 / ポイントクラウド / ミリ波帯伝搬 / 散乱特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は,昨年度確立した周辺環境の3次元ポイントクラウドデータからエリア内の伝搬チャネル予測を行う手法の高度化を行った.本研究ではポイントクラウドデータを用いて物理光学近似に基づく電波伝搬シミュレーションを行うが,計算を行う際には周辺物体の表面を波長オーダーの微小なメッシュに分割する必要がある.そのため周波数が高くなると計算コストが増大する問題があった.また,実測されたポイントクラウドには数mm 程度の計測誤差があるため,歪みの小さいメッシュを構成するのに複雑な前処理が必要であった.そのため本年度は,Aperture Field Integration Method (AFIM)法に基づき周辺物体表面からの散乱波を平面波スペクトルに分解して取り扱う事で上記問題を解決する手法を提案した.平面波スペクトルに分解した際に,ポイントクラウドのエラーによる影響は白色雑音として取り扱う事ができ,容易に取り除く事ができる事を示した. 提案手法の有効性を検証するため,5GHzから32Ghzまでの広い周波数帯において仮想アレー方式に基づくチャネルサウンディングを実施した.昨年度検証した黒板・ウィンドウに加えて,机,戸棚等複雑な構造を持つ家具の有無による伝搬チャネルの影響を測定し,提案手法による予測精度の評価を行った.電波の到来角度特性まで含んだ詳細な伝搬特性をポイントクラウドデータから予測する手法を確立した事の学術的意義は大きく,無線ネットワークの自動構築技術への適用が期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は昨年度構築したレーザスキャナとチャネルサウンダによる周辺環境の同時計測を行うシステムを用い,様々な条件・無線周波数帯で実験を行う事ができた.提案する伝搬シミュレーション手法の計算速度,計算精度について大幅な改善を行う事ができ,十分な学術的成果を得られた.研究成果の展開については欧州科学技術研究協力機構(COST)への寄書や国内研究会での発表行っており,概ね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,本年度に開発した伝搬チャネル予測アルゴリズムを用いて屋内・屋外の様々な環境で実験と検証を行ってゆく予定である.電波の反射・散乱特性は散乱物の誘電率・導電率等の材料特性パラメータにも依存するが,これらのパラメータの影響を明らかにした上で,詳細な評価を行ってゆく予定である.
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Causes of Carryover |
本年度購入予定であった計測器に関して,別プロジェクトで購入した機材を利用する事ができたため.また,コロナウィルスの流行に伴い学外での実験や出張ができなかったため. 本差額は次年度の伝搬実験及び学会出張旅費として使用予定である.
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