2019 Fiscal Year Research-status Report
A study on radio wave propagation estimation and its visualization in a large metropolitan area
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19K04398
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
白井 宏 中央大学, 理工学部, 教授 (00196594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 亮一 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (00293184)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 電波伝搬推定 / 高周波 / 漸近解法 / キルヒホッフ / Kirchhoff / 回折 |
Outline of Annual Research Achievements |
スマートフォンに代表される移動無線通信の急速な需要増加に伴い、複雑な都市環境における効率の良い通信基地局の配置や通信電波の正確な伝搬予測が望まれている。本研究は、大都市空間における高速かつ高品質な情報通信サービスの提供に向けて、高層建築物で囲まれた複雑な電波伝搬環境における電波伝搬の予測を高速に行い、その解析結果を可視化表示するシステムの構築を目的としている。 この目的のために高周波の電波の解析に有効な光線近似理論を用いて、都市部の地理情報や建築材料情報を組み込んだ多層建築物の構造情報データベースを基に、建物内外の電波伝搬を高速に解析するプログラムを開発する。 本研究では、建築材料の電気定数の測定及び推定のためのプログラム開発、建物の壁、天井や地面によって反射、透過や回折した電波の寄与をさらに効率よく組み入れて伝搬予測する光線追跡アルゴリズムを開発する。 以前の研究で更に検討が必要と判断されている建築材料の電気定数を抽出するためのアルゴリズムを考え、実際の建築材料による反射・透過特性の測定実験によって、その適用性や精度を検討する。次に都市空間を模擬した建物や設置された基地局の空間位置情報を使って、光線追跡シミュレーションを行う。 さらに将来もっと複雑な形状や広範囲な伝搬解析への適応や高速で計算することを考慮して、理論解析は、なるべく簡単で容易なものを含めて検討する。こうして得られた結果を基に定量的かつ定性的な散乱反射量の把握のための効率のよい広域伝搬可視化図の作成を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を進めるにあたり、大都市にある高層建築物の壁による電波散乱を高速に把握するための解析手法を検討してきた。建物やその壁にある窓による電波散乱量を高速に把握するために、高周波漸近解析手法であるキルヒホッフ近似(KA)を用いることを考え、その解析手法の精度や計算速度について、最初に基本となる二次元問題として、厚みのある導体平板上に開けられたスリットによる平面電磁波の散乱について定式化して、既に求めている幾何光学的回折理論による結果や小林ポテンシャル(KP)法による結果と比較を行った。 当初の研究計画では、幾何光学的回折論(GTD)を使ったほうが、解析の精度が高いと考え、その手法の適用を考えていたが、3次元的な窓構造に解析を拡張することを考えた場合に、GTDは適用が難しくなることがわかった。そこで、GTDより定式化が簡単となり、3次元への拡張も簡単なKA法によって解析することにした。 2次元形状の解析の結果、スリット開口の大きさが波長に比べて十分大きい高周波散乱の場合には、精度良く高速に解析が可能であることがわかり、その結果を学会発表することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の研究で、2次元形状の場合には精度良く高速に解析できることがわかったKA法を用いて、建物壁を模擬した方形窓による電波散乱について解析して、その解析精度を確かめる。方形窓が波長に比べて小さい場合には、既に定式化されているKP法の精度が良いことがわかっているので、その結果と比較することを考えている。 もしこの解析手法の妥当性を示すことが出来た場合には、窓ガラスを想定して開口に誘電体が装荷された場合について解析を進め、その誘電体の媒質定数による散乱量の変化について調べる。加えて建物壁を透過する寄与についても、どのように解析に加えるかを検討する。 また実際の窓モデルによる散乱実験や暗室内の模擬実験によって、解析結果の妥当性を示すつもりである。
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Causes of Carryover |
研究発表を予定していた学会が、コロナウイルス蔓延防止の観点から急遽開催中止となり、それに伴い予定した出張旅費等の支出がなくなったために、その分を基金として次年度へ繰越して有効に利用することにしたため。
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Research Products
(11 results)