2019 Fiscal Year Research-status Report
A study on high resolution sound source localization method using high frequency components
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19K04399
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
陶山 健仁 東京電機大学, 工学部, 教授 (50303011)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マイクロホンアレー / 音源定位 / 音声信号 / 音源方向推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は,従来進めてきた広間隔マイクロホンペアを用いた逐次更新ヒストグラム法による音源定位の性能検証と最適なパラメータ値の検討を進めた。逐次ヒストグラム法では,MUSIC法を用いた方向推定とヒストグラムの逐次更新による先鋭化により推定精度の向上を図っている。広間隔マイクロホンペアの場合,空間解像度が向上するため,推定精度向上が期待できる。しかし,空間エイリアシングの影響によりMUSIC法の推定結果に2πの不定性が残り,誤った推定結果によってヒストグラムの先鋭度が下がるため,結果として誤推定の原因となる。そこで,空間エイリアシングが発生しない低周波数帯域の推定結果によるヒストグラムを高周波数帯域の信頼度として用いる空間エイリアシング回避指標として用いている。この手法の性能は,MUSICで用いる相関行列算出時の忘却係数値とヒストグラムの更新の際の更新重み値に依存する。 性能検証では,マイクロホン間隔が30[cm]のマイクロホンペアを用いて,残響時間が1[s]程度の会議室で音声信号を収録し,忘却係数値と更新重み値を検証した。忘却係数は「時間―周波数」領域でスパースとみなし得る領域を検出しやすいほうが向いているため,忘却係数は十分小さいことが適していると仮定できる。同様に,更新重みに関しては同時発話音源数が急激に変動することはないが,変動には高速に追従する必要があるため,ある値より小さい値が適していると仮定できる。検証の結果忘却係数は0.2,更新重みが0.1程度が妥当という知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のアプローチと従来型のアプローチの異なる点は,方向推定の部分と空間エイリアシング回避指標を使用しない点である。そのため,従来型で最良の性能を明らかにする必要があり,令和元年度の検証で定量的に明らかにできた。この成果は,本研究で超えるべき最低ラインを与えるものである。このように,研究の評価ポイント基準を明らかにできたため,おおむね順調に進んでいると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度の成果に基づき,令和2年度はマイクロホン間の伝達特性をシステム同定し,その群遅延特性を用いて高周波帯域で音源方向推定を行う手法について検討する。一方のマイクロホン受信音を入力,他方を出力とする全域通過フィルタを考え,そのフィルタ係数を学習する。係数値から群遅延特性を解析的に求め,音源方向を推定する。その際,マイクロホン間隔は4[cm]とし,従来型の30[cm]と同等の解像度を実証する。令和3年度はPCを用いた実時間処理系の構築を行うとともに,成果の公表を行う。
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Causes of Carryover |
令和元年度の導入機器が消費税率の変動のため,ほぼ予算いっぱいとなった。そのため,当初予定していた謝礼には使えず,若干の残余分を次年度に使用することとした。
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Research Products
(4 results)