2021 Fiscal Year Annual Research Report
光走査式誘電体散乱電界センサによる高周波電界分布計測
Project/Area Number |
19K04417
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Research Institution | Akita Industrial Technology Center |
Principal Investigator |
黒澤 孝裕 秋田県産業技術センター, 先端機能素子開発部, 上席研究員 (60370243)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 電界計測 / 変調散乱 / 光変調 / 光走査 / 半導体散乱体 |
Outline of Annual Research Achievements |
光走査式変調散乱波測定システムについて,電界分布計測時の感度や擾乱性をFDTDシミュレーションにより検討し,低擾乱な計測に向けた散乱体の設計指針を見出した.円板形状の半導体散乱体を対象とし,散乱体寸法および光照射に伴う導電率変化量と変調散乱波強度との関係を求めるとともに,散乱体の全断面積を用いて侵襲性を評価した.この評価に際して,散乱体物性と光照射に伴う散乱体の導電率変化量との関係を見積もる簡便な式を導出し,計算結果と実測結果との整合性を検証した.計算により得られた信号強度は実測の周波数特性をおおむね再現でき,測定システムを解析可能な計算モデルを構築できたといえる.このモデルを用いて低擾乱な計測に向けた設計指針を検討した結果,高感度を得るためには,光照射時の散乱体導電率を増加させること,および,散乱体の全厚を減少させることが有効なことを明らかにした.特に散乱体の全厚減少は侵襲性も低減可能であり,測定システムの性能向上に効果的である.また,光照射時の導電率増加では侵襲性はほとんど変化しない.光照射時の導電率を大きくするためには,単位面積あたりの照射光の強度を大きくする,あるいは材料的なアプローチとして,励起キャリアの再結合ライフタイムを大きくする,等が考えられる.散乱体直径の増加によっても高感度化を図れるが,同時に侵襲性も悪化すること判った. また,ギガビットイーサネットのスイッチングハブを例にとり,回路基板上の高周波強度分布を測定して不要輻射の波源特定を試みた.アンドープシリコン基板を散乱体として供試機器上に固定し,照射光を走査することで高周波電界の強度分布を計測した.その結果,制御LSIチップ直上で最も電界強度が高くなることを明らかとした.また,チップ上の電界分布から,チップ自体が電気的に共振することで特定周波数の放射が強調されることが推察された.
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Research Products
(2 results)