2020 Fiscal Year Research-status Report
SAR画像中で自動認識された建物・樹木等のフットプリントに関する応用研究
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19K04420
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
上本 純平 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所リモートセンシング研究室, 主任研究員 (70536177)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | SAR / InSAR / リモートセンシング / フットプリント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、研究代表者らの開発した合成開口レーダー(SAR)観測画像から建物・樹木を自動抽出するアルゴリズムを応用し、観測画像の「マッピング精度の改善」及び「建物方位角依存性の解明」という課題に取り組むものである。一番目の課題はSAR観測画像から抽出された情報について共通地図座標系で他データとの比較を行う上で、また二番目の課題は機械学習等による土地被覆分類の精度を向上させる上で基礎となる重要な課題である。 本年度は主に「マッピング精度の改善」に取り組んだ。具体的には、昨年度から引き続いて精度改善効果の確認・評価、及び改良を進めた。改良・評価を繰り返す中で、自動同定したフットプリントを単純に用いるだけでは改善効果が不十分であり、また適用可能シーンがかなり限定されることが判明した。そこで、自動同定したフットプリントを更に選別する手法を追加する等の改良を進めた。改良したアルゴリズムに対し、森林、住宅地及び急峻な崖等を含む複雑なシーンを用いて定量的評価を実施したところ、高さ誤差の中央値は1 m未満であった。SARの観測原理に基づくと、高さの誤差と水平位置の誤差は等価的に結びついているため、少なくともこの評価シーンに対しては定量的に研究目的を達成していると考えられる。上述した通り、マッピング精度はSAR観測画像から抽出された情報と他データを共通地図座標系上で比較する際のキーファクターである。従ってここで達成した成果は、今後のSAR観測データからの情報抽出及びその利活用において重要な役割を果たすと期待できる。また、得られた成果を雑誌論文としてまとめて投稿し、本年度2月に受理、3月にオンライン公開されている。 一方、上記と並行し、自動同定したフットプリントに含まれる誤検出点の除去手法の検討も進めており、今年度はMarkov Random Fieldモデルを用いた手法について学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り「マッピング精度の改善」に取り組み、アルゴリズムの実装及び改善効果の検証という段階まで研究を推進できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で研究計画通りに推進できており、引き続き当初計画に沿って研究を進めて行くこととしたい。具体的には、今年度までに研究開発した「マッピング精度の改善」アルゴリズムについて、更に様々なシーンへ適用することでより詳細な改善効果検証の実施及び利活用手法について検討したいと考えている。また、二番目の課題である「建物方位角依存性の解明」については、事前準備を経て取組みを開始する予定である。
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Causes of Carryover |
学会発表計画の変更及び解析データ用ストレージ等の消耗品購入により、次年度使用額が生じているが、次年度使用額も含め研究推進に必要な物品等の購入費及び研究成果発表費用としての使用を考えている。
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Research Products
(2 results)