2019 Fiscal Year Research-status Report
光空間エンコード化に基づくレーザドップラー3次元空間速度ベクトル分布計測法の開発
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19K04426
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
丸 浩一 香川大学, 創造工学部, 教授 (00530164)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 計測工学 / 計測機器 / 速度計測 / レーザドップラー速度計 |
Outline of Annual Research Achievements |
光空間エンコード化と差動型レーザドップラー速度計測技術を利用した手法を発展させた,高精度で扱いやすい3次元空間速度ベクトル分布計測方法を確立するための技術開発として,研究課題(1)3次元空間の速度分布計測技術(1速度成分)の開発,研究課題(2)各測定点の速度をベクトルとして計測するための技術開発,研究課題(3)光学系集積化の基礎検討を実施した. 研究課題(1)としては,従来研究で検討してきた1次元の光空間エンコード化を2次元に拡張し,2次元面内に配置した各測定点の速度を計測するための光学系を検討した.原理検証のため,ふたつの4chビームアレイを交差配置することで測定点数を16とした実験系を構築した.ビームアレイを構成する各ビームは位相シフタアレイを用いたセロダイン変調により周波数シフトした.実験の結果,2次元配置した各測定点の速度成分が測定可能であることを実証した. 研究課題(2)としては,速度ベクトルの各成分を計測するためのLabVIEWおよびデジタイザを用いた測定系を構築し,各速度成分に対応する信号スペクトルの計測が可能であることを確認した. 研究課題(3)としては,Nb2O5/SiO2系材料を用いた導波路におけるビーム入出射用グレーティングカプラの高効率化の検討を行った.シミュレーションにより,Nb2O5/SiO2多層構造を用いることで空気側出射光パワーを大幅に向上できる見通しを得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題(1)3次元空間の速度分布計測技術(1速度成分)の開発では,3次元速度分布計測に向けた基礎となる技術として,2次元面内に配置した各測定点の速度成分が測定可能であることを実験的に実証できた.研究課題(2)各測定点の速度をベクトルとして計測するための技術開発としては,速度ベクトル計測のための基礎的な測定系を構築することができた.研究課題(3)光学系集積化の基礎検討としては,集積化プローブに用いる実用的なビーム入出射用グレーティングカプラの構造を計算により明らかにした. これらのことから,本研究が順調に進展しているものと判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度に引き続き,研究課題(1)3次元空間の速度分布計測技術(1速度成分)の開発,研究課題(2)各測定点の速度をベクトルとして計測するための技術開発,研究課題(3)光学系集積化の基礎検討を行う. 研究課題(1)では,2次元面内に配置した各測定点をもう1次元方向に展開することで,3次元空間内の速度分布を計測する方法を開発する. 研究課題(2)では,1速度成分の計測手法を複数系統組み合わせるとともに,各速度成分を識別する方法を開発する.また,速度ベクトル計測のための制御系を引き続き開発する. 研究課題(3)では,ビーム入出射用グレーティングカプラの多層構造を改良するとともに,ビーム出射部を集積化したプローブ素子の出射エレメントおよび光回路を設計する.
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