2019 Fiscal Year Research-status Report
Atomic Level Characterization of Molecular Self Assembly: its formation and collapse
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19K04434
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
越野 雅至 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究グループ長 (00505240)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 電子顕微鏡 / 分子集合体 / 有機分子 / 両親媒性分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,分子膜が形成する際,膜を構成する有機分子やその周りの水分子がどのように振る舞うのか,分子膜の大きさはどうしたら制御できるか,膜構造が安定に存在するためにはどのような生成プロセスや構造を経たらよいのか,さらには膜内外での物質や情報がどのように伝達されるか,といった問いに対する知見を分子の直接観察と元素分析を時間分解型の計測評価技術によって明らかにすることが狙いである. 本研究では,電子線により容易に構造変化が起こるソフトマテリアルに対して最先端技術を搭載した走査/透過型電子顕微鏡を用いて高感度,高分解能,高速に原子・分子レベルで時間分解型の多次元測定を行い,極小の両親媒性有機分子で構成される自己集積型分子集合体膜の形成および崩壊過程の科学を明らかにすることを目的とする. 2019年度は、1)試料作製技術,2)測定技術,3)解析技術の3つの要素技術を柱として研究開発を行った。有機低分子を対象試料として電子顕微鏡による観察を行い、その自己集積型分子集合体膜の形成および崩壊過程の観察を行うとともに、得られた画像を解析するためのソフトウェアを購入し、位置補正、フィルタリング、多次元解析に用いる各種要素技術を開発した。さらに得られた実験像を理論から解釈するために、分子動力学シミュレーションをするためのハードウェアやソフトウェアを準備するとともに、100万原子を超える電子顕微鏡像シミュレーションを実現するためのプログラミングソフトを購入した。 また、今年度は材料開発のための分子力学シミュレーションや電子顕微鏡開発の最新技術動向の情報を得るため、国内の会議、フォーラムへ参加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)試料作製技術,2)測定技術,3)解析技術の各要素技術開発に取り組んだ。例えば1)においては、ナノ材料を支持材とした試料固定法の開発、バックグランドノイズを減らす試料作製法の開発、氷包埋試料作製技術開発、分子膜の強度を向上する環境要因の検討などを行い、それぞれの項目で3年計画の1年目としておおむね40%以上の目標達成をしている。2)に関しては、加速電圧の異なる電子顕微鏡を用いた同一試料観察の比較、異なる検出器による高速TEM撮影比較、高速環状暗視野(ADF) -電子エネルギー損失分光法(EELS)の時間分解観察などを行い、検討するに値するデータが蓄積された。3)では、画像解析ソフトウェアで動作するノイズ除去技術(フィルター)や分子動力学計算、電子顕微鏡像シミュレーションなどに取り組み、実像との整合性やそこから得られるナノレベルの分子挙動解釈が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
1)試料作製においては、ナノ材料を支持材とした試料固定法のうち、アモルファスカーボンやカーボンナノチューブ以外の新炭素材料としてグラフェンに注力していきたい。また氷包埋試料作製においてもグラフェンを用いることで氷の薄層化を検討していく。これらの支持材と形成される集合体の大きさなどを体系的に解釈したい。 2)測定技術に関しては、検出器および検出ソフトウェアを制御するScriptにまだバグがあるようなので、安定測定ができるよう改良していく。GPUを利用した解析についても初年度に購入したハードウェアを利用して研究を進める。 そして3)解析技術では、画像認識技術、機械学習の適用などを今後進めていく予定。 これら研究成果の発信等に注力していきたい。 さらに得られた成果を基に必要な要素技術を精査し、3年目の飛躍へ向けて計画を調整していく。
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