2021 Fiscal Year Research-status Report
非協力・利己的マルチエージェント系のための制御エージェント設計
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19K04440
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
金澤 尚史 摂南大学, 理工学部, 准教授 (90452416)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | システム工学 / 制御工学 / マルチエージェントシステム / 集団ゲーム / 非協力ゲーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,これまで利己的マルチエージェント系に対する制御器の設計問題としてエージェント集団とは別に扱ってきた制御器を利己的エージェント集団と相互作用する制御エージェントととらえなおすことで,システム全体を一つのマルチエージェント系として統一的に扱える設計法を確立することを目的とする. 本年度は昨年度に引き続き,多数のエージェントが,エージェント数に対して比較的少数のタスクを協力して実行する際に自律的に利己的に自身の実行するタスクを決定することで,結果として大域的に最適なタスク割当を実現するタスク割当法と,その複数種類の多数の自律移動エージェントによる領域の動的被覆問題において,目的に合わせた領域被覆性能と目標追跡性能を実現する手法に対する応用について研究を行った. また,多数のエージェントが始点から終点へ移動するとき,複数存在する経路の中からそれぞれ1つの経路を利己的に選択する利己的ルーティングと呼ばれるモデルを,出発時刻も同時に選択するものに拡張した.このモデルにおいては,従来の利己的ルーティングによって議論されている,ある経路にエージェントが集中することでかえって旅行時間が大きくなってしまうジレンマだけでなく,エージェントの出発時刻の好みによって,一定の時間帯にエージェントの移動が集中することで生じる問題を記述することができる基礎的なモデルである.さらにこのモデルにおいて,時間帯と経路に応じた通行料を課すことによって,目標とする経路分布を実現するとともに,出発時刻を分散させる手法を提案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19感染症流行への対応のため,本務での業務の増加を含めて,本研究課題の遂行にも支障が有った. 引き続き研究成果の発表に関しても支障が大きく,当初予定に及ばない内容になってしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに提案したタスク割当法の動的領域被覆に対する応用や,補助金を用いたマルチエージェントシステムの制御法の出発時刻選択を含む利己的ルーティングに対する応用などに引き続き取り組んでいきたい. また,これまでに提案した,総額をパラメータとし各戦略をとるエージェントに対して目標状態に依存した配分率で配分することで目標状態を安定化する制御器を,補助金配分を通して利己的エージェント集団と相互作用するエージェントととらえなおすことで,補助金を用いた目標状態の安定化制御器の,制御エージェントとしてのモデル化と解析に取り組みたい.
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Causes of Carryover |
COVID-19感染症流行への対応のため,本務での業務の増加を含めて,本研究課題の遂行にも支障が有った. 引き続き研究成果の発表に関しても支障が大きく,当初予定に及ばない内容になってしまった. 次年度使用分は計算機・実験機器の購入や,研究成果発表その他に当てる予定である.
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