2019 Fiscal Year Research-status Report
Modelling of human decision making using inverse optimization
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19K04455
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村田 純一 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (60190914)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 人のモデル / 人の判断基準 / 社会サービス / 個人化 / 逆最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
人は自身の行動によって生ずる状態xの良さを行動決定の基準とする.状態xの良さを,パラメータベクトルpで規定される関数f(x;p)を用いて表す.この関数ないしパラメータベクトルpを推定することが本研究の目的である.観測データx*が最適であれば,x*は他のxよりも優れている(f(x*;p)≧f(x;p))という逆最適化の条件から解を得ることができる.研究すべき内容は,(a) f(x;p)の関数形の決定,(b) 逆最適化問題の定式化,(c) データ・情報とf(x;p)の表現自由度のバランスを保ちつつ解を得る方法の開発,(d) 検証である.これらは,良さの判断基準が単一であるか複数であるか,また,データとして最適な結果が得られているか比較結果が得られているかに応じて異なる. 本年度は,単一判断基準の場合について,汎用性の高いf(x;p)の関数形を用い((a)),その表現自由度であるパラメータベクトルpの要素数の適切な決定のために,異なる要素数のpを持つf(x;p)を比較評価する基準を考案し,これを用いて適切な自由度を持つf(x;p)を選定できることを確認した((c),(d)).また,判断基準が複数ありかつ最適な結果がデータとして得られている場合について, (a)に関して,適切なf(x;p)が持つべき性質をデータから抽出する方法を開発するためのデータ解析をおこなった.さらに,判断基準が複数であって比較結果が得られる場合の典型例である人間が計算機と対話を行いながら最適化を行う対話型進化計算を対象とし,複数ある判断基準のうちどれを重視して判断を行っているのかを,f(x;p)の関数形を明示的に規定せずに推定する方法を開発した.さらに,得られた結果を,対話型進化計算の効率向上に役立てる方法を考案した.以上の成果を国内学会で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に実施することを計画していた,良さの判断基準が単一である場合についての研究項目について,概ね成果を得ることができた.しかし,まだ完成には至っていない.一方,次年度以降に実施することを計画していた良さの判断基準が複数である場合についての研究を進展させることができた.以上から,総合的には計画していた通りに研究は進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に開発した,良さの判断基準が単一の場合の方法を完成させる.また,2020年度以降に実施することを計画していた,良さの判断基準が複数ある場合についての研究を進展させる.検証に使用するデータを取得する実験が,少なくとも年度当初は新型コロナウイルス対策のために実施が困難であるため,数値シミュレーションで生成したデータを活用する.
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Causes of Carryover |
本年度にデータ取得実験を一部実施することを計画しており,その実験参加者への謝金を予算計上していたが,理論面の研究遂行を優先したため,当年度には実験を実施せず,したがって謝金も支出しなかった.この実験は次年度以降,新型コロナウイルスの影響を注意深く見守りながら適切な時期に実施し,謝金支出を行う予定である.
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