2019 Fiscal Year Research-status Report
ビッグデータ技術との融合によるジャストインタイム制御の高速・高精度・高ロバスト化
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19K04460
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
甲斐 健也 東京理科大学, 基礎工学部電子応用工学科, 准教授 (60419471)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ジャストインタイム制御 / ジャストインタイムモデリング / ビッグデータ / データベースド制御 / 自動運転 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は本研究課題の1年目となるので,研究の基盤を築くことを目標とし,主に基礎理論の構築・展開ならびにコンピュータによる数値シミュレーション・解析を主として研究を進めた.本年度において実施した具体的な研究テーマとしては以下が挙げられる. (1)自動車のモデルに対して,与えられた経路を自動で追従するような「車の自動経路追従問題」において,ジャストインタイムモデリングに基づく新しい制御手法を開発した.特に,データベースに保存されている入出力データを用いることによって,目標経路上に設定された複数の目標点を順次追従することによって,目標経路上を自動で走行できることが数値シミュレーションによって確認できた. (2)マルチコプタのモデルに対して,与えられた高度においてホバリングを行うような「マルチコプタの自動ホバリング制御問題」において,過去の運転に関する入出力データに基づいてジャストインタイム制御を行う手法を新しく開発した.特に,オーバーシュートやアンダーシュートなしで目標高度に遷移してホバリングを行うことを目的とし,数値シミュレーションから提案手法の有効性が確認できた. (3)ジャストインタイムモデリングにおいては,データベース内での検索の段階で計算量が最も必要とされるが,検索のアルゴリズムを改良し,計算量の大幅な低減を目指した.特に,(1)の「車の自動経路追従問題」に対して,提案手法を適用した結果,大幅な計算量の低減が実現でき,さらに複雑な経路への追従も可能となることが示された. (4)その他,以下のようなテーマに取り組み,ジャストインタイム制御の有効性を確認した.車の自動車庫入れ制御,高速道路における車の自動車線変更,マルチコプタの自動遷移制御.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は本研究課題の1年目であり,本研究課題の基礎的な理論を構築することが主な目的であったが,研究実績の概要においても示されているように,1年目から複数の研究成果を導出することができ,対外的に発表することができた.したがって,当初の計画通りおおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度で得られた研究成果に基づき,今後は以下のような研究課題に取り組む計画である. (1)これまでは数値シミュレーションにおいてのみ有効性を確認したが,今後は実機実験を行って提案手法の有効性を確認することを計画している.特に,モバイルロボットやマルチコプタを用いて,データベースの構築ならびにジャストインタイム制御の適用を行う予定である. (2)ジャストインタイム制御においてはデータベースの構築・検索が重要となるが,ビッグデータとの関連性を強化し,提案手法の高速化・高精度化・高パフォーマンス化を目指していく. (3)これまでの研究においては,制御対象は車やマルチコプタなどの移動体を主に扱ってきたが,今後は適用範囲を広げて,様々な制御対象に提案手法を応用していく計画である.具体的には,機械システム・電気システム・社会システム・経済システムなどを検討している.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたが,使用計画通りに進めた結果で生じた微小な額であり,特に理由は存在しない.次年度予算と合算し,次年度の使用計画通りに進めていく予定である.
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Research Products
(16 results)