2020 Fiscal Year Research-status Report
Dynamic behaviour of electronic states of spintronics device during magnetization switching
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19K04464
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
櫻井 浩 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (80251122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 学 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (50250816)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スピントロにクス / 磁気スイッチング / スピン磁気モーメント / 軌道磁気モーメント / 磁気コンプトン散乱 / 磁歪 / X線磁気円に植生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではスピントロニクス素子の接合界面における磁化反転に伴う動的電子状態を明らかにすることを目的とする。2020年度は②スピン・軌道磁化の磁化反転に伴う動的挙動と磁気カー効果・磁歪などの磁気特性との関連の解明に着目し以下を行った。 1.2019年度に開発したひずみゲージを用いた磁歪測定システムによる磁歪測定結果とスピン・軌道磁化の磁化反転挙動の関連の検討 2019年度に開発したひずみゲージを用いた磁歪測定システムによる磁歪測定結果とスピン・軌道磁化の磁化反転挙動の関連を検討した。ナノ構造を付与することで巨大磁歪効果が報告されているFe-Co系に着目し、ナノ構造を制御したFe/Co多層膜の磁歪の磁場依存性とスピン・軌道磁化の磁化反転挙動の関連の検討を行った。その結果、磁歪の大きな系ではスピン磁化と軌道磁化の磁化曲線が異なり、軌道磁化が巨大磁歪と関連する可能性が示唆された。 2.2019年度にKEK-PF実験課題として採択され、2020年度に開始されたX線磁気円二色性を用いたスピン・軌道・磁気双極子項に相当する磁化曲線の測定手法を開発 CoFeB/MgOおよびCoFeB/Taを対象として、X線磁気円二色を用いたスピン・軌道・磁気双極子項に相当する磁化曲線の測定を初めて行った。その結果、アモルファス試料であるので磁気双極子項はほとんどゼロであった。さらに、磁気双極子項がゼロと考えて求めたスピン磁化曲線と磁気コンプトン散乱から求めたスピン磁化曲線とが一致した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下の理由による。 〇2019年度に開発したひずみゲージを用いた磁歪測定システムによる磁歪測定結果とスピン・軌道磁化の磁化反転挙動の関連の検討を行うことができた。
〇2019年度にKEK-PF実験課題として採択され、2020年度に開始されたX線磁気円二色性を用いたスピン・軌道・磁気双極子項に相当する磁化曲線の測定手法を開発に成功し、スピン・軌道・磁気双極子項に相当する磁化曲線を求めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
スピン・軌道磁化の磁化反転に伴う動的挙動と磁歪などの磁気特性との関連が明らかになってきた。そこで、スピン・軌道磁化の磁化反転に伴う動的挙動と磁歪などの磁気的特性との関連をより明確にしていく。さらに、Fe-Ga、Fe-Al(あるいはFe-Co系)などの巨大磁歪材料がD03構造を有し、トポロジカルなバンド構造に由来する異常ネルンスト効果と関連することが最近報告されているので、スピン・軌道磁化の磁化反転に伴う動的挙動とトポロジカルなバンド構造との関連も検討していく。
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Causes of Carryover |
国内学会発表・国際会議等への出張等がなかったため、未使用額が生じた。引き続き国内学会発表・国際会議等への出張を計画するが、2021年度の状況による。成果発表を目的とした2022年度への延長も視野に入れる必要がある。
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Research Products
(11 results)