2021 Fiscal Year Annual Research Report
量子ドット超格子太陽電池におけるホットキャリア型太陽電池動作の実証
Project/Area Number |
19K04469
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
原田 幸弘 神戸大学, 工学研究科, 助教 (10554355)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ホットキャリア / 太陽電池 / 量子ドット超格子 / InAs/GaAs量子ドット / 局在表面プラズモン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、InAs/GaAs量子ドット超格子を内包する太陽電池において、幅広い励起波長域における高効率なホットキャリア電流取り出しを実現し、単接合型太陽電池の変換効率限界を突破するホットキャリア型太陽電池の学理の構築と高効率化技術の開発を目的とした。2021年度は、InAs/GaAs量子ドットにおける局在表面プラズモン共鳴による光電場増強効果に着目した研究を2020年度に引き続き遂行し、InAs濡れ層を考慮したInAs/GaAs量子ドットにおける光電場増強効果を明らかにした。研究期間全体を通じて実施した研究の成果の概要は以下の通りである。 〇InAs/GaAs量子ドット超格子太陽電池において、ホスト結晶であるGaAsのバンドギャップエネルギー以下の入射光を用いて電流―電圧特性の励起波長依存性を低温(15 K)で測定し、ホットキャリア電流の取り出し過程を明らかにした。短絡電流密度と開放電圧の関係が励起波長に依存しなかった結果は、InAs/GaAs量子ドット超格子太陽電池固有のホットキャリア電流の取り出し過程を電流―電圧特性から議論できることを示唆している。 〇近接積層InAs/GaAs量子ドット構造における局在表面プラズモン共鳴による光電場増強効果のシミュレーションを実施し、量子ドット積層間隔を狭くすることで局在表面プラズモン共鳴波長が短波長化することを明らかにした。量子ドットにおけるバンド内遷移はホットキャリア型太陽電池の変換効率を向上させるため、局在表面プラズモン共鳴による光電場増強効果を利用することによって、単接合型太陽電池の変換効率限界を突破するホットキャリア型太陽電池の実現が期待できる。
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