2019 Fiscal Year Research-status Report
Global Investigation of Electrical Damage Introduced into p-GaN Films by Plasma Ion Bombardments
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19K04497
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
中野 由崇 中部大学, 工学部, 教授 (60394722)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | p型GaN / 電気的ダメージ / プラズマイオン / 欠陥準位 / Ga空孔 / N空孔 / パワー半導体 / ノーマリーオフ |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、ノーマリーオフ動作可能な縦型パワーデバイスの実現にとって極めて重要なp型GaNへのArプラズマイオンの物理的衝撃に焦点を絞り、直流グロー放電によりArイオンを照射したMgドープp型GaN(GaN:Mg)膜にショットキーダイオードを作製し、深いエネルギー準位を有するMgアクセプターが十分に追随可能な周波数1kHzで静電容量-電圧(C-V)測定と光容量過渡分光(SSPC)測定を行い、Mgの有効アクセプター濃度|Na-Nd|の膜厚深さ方向分布と欠陥準位のエネルギー状態密度分布を評価し、Arイオン照射により導入される電気的ダメージの生成挙動を定量的に検討した。 得られたC-V特性から、Arイオン照射によりMgの有効アクセプター濃度が膜表面では大きく減少し、膜内部では大きく増加する傾向を示した。これより、Arイオン照射時間が増加する程、Mgアクセプターが内方拡散していることが分かった。また、SSPC特性のArイオン照射時間依存性から、Arイオン照射により価電子帯上~2.0eV, ~3.2eV付近に存在する2つの欠陥準位が顕在化することが分かった。GaNでは物理的なイオン衝撃により多量のGa空孔とN空孔が生成し、それぞれ内方拡散,外方拡散する傾向を有することを考慮すると、Ga空孔は内方拡散し残存水素と水素化Ga空孔欠陥を形成していると考えられる。このGa空孔の内方拡散に伴いMgアクセプターも追随・内方拡散していると推定される。同時に、ドナー準位として振る舞い得るN空孔は外方拡散することで、膜表面ではキャリア補償によりMgの有効アクセプター濃度が大きく減少していると考えられる。したがって、価電子帯上~2.0eV, ~3.2eV付近に存在する2つの特徴的な欠陥準位はArプラズマイオン照射により導入されたGa空孔,N空孔関連の欠陥準位であると推測される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、Arプラズマイオン照射によりp型GaNに導入される電気的ダメージの生成挙動をMgの有効アクセプター濃度の膜厚深さ方向分布と欠陥準位のエネルギー状態密度分布の両面から定量的に検討した。データをまとめたが論文発表には至っていないため、早急に着手する。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は等方性エッチングガスであるCF4、異方性エッチングガスであるSF6を用いたプラズマイオン照射によりp型GaNに導入される電気的ダメージ特性を一通り評価し、2019年度に得られた化学的に安定なArプラズマイオンにより導入される電気的ダメージ特性と比較検討する予定である。
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Causes of Carryover |
2インチp型GaNエピウエハの購入は次年度以降に延期した。また、予定していた国際会議での研究発表を中止した。 p型GaNエピウエハについては、研究成果をより顕在化させるためにウエハスペックを詳細に検討した上で発注する予定である。また、国際会議での研究発表についてはプラズマガスをCF4やSF6に変えた場合のデータを合わせて発表する予定である。
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Research Products
(6 results)