2021 Fiscal Year Annual Research Report
狭ギャップ半導体薄膜の磁場下電子物性研究と超高感度電流センサの開発
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19K04498
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
眞砂 卓史 福岡大学, 理学部, 教授 (50358058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 健司 福岡大学, 理学部, 助教 (00706864)
柴崎 一郎 公益財団法人野口研究所, 研究部, 研究員 (10557250)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ホール素子 / 狭ギャップ半導体 / 量子井戸構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、令和2年度に特許出願を行ったInAsxSb1-x/AlyIn1-ySb量子井戸のバンド構造について、さらに詳細な解析を行い、量子井戸の深さとキャリア密度の関係について考察を進めた。この結果、井戸内のキャリア密度は伝導体の底とフェルミレベルの位置関係が非常に重要であることが再確認された。また、室温におけるキャリア密度は、井戸層に熱励起電子に加え、障壁層からの熱励起電子の影響もかなりあることがわかり、ホール電圧応答の温度安定性の向上、すなわち温度によるキャリア密度の変化を小さくするためには、障壁層のバンドギャップは大きい方がよいことが分かった。 共同研究が行える企業を開拓するために、大学主催の新技術説明会等に参加して技術の情宣を行ったところ、いくつかの企業からの問い合わせを得ることができた。本特許をてこ入れに、新規ウエハを企業から調達する予定であったが、共同研究の実際に実施については予定の進展は得られなかった。 さらに、デバイス構造計算には有限要素法計算プログラムを導入し、ホール素子形状によるホール電圧応答について検討を進めた。ホール素子の磁場応答シミュレーションでは、磁場に比例したホール電圧応答を得るまでは確認できた。しかしながら、バンド構造を反映した本ホール素子特有の結果を得るまでには至っておらず、さらなるコードの検討が必要である。このため、様々な形状効果やサイズ効果に関する研究は、今後の課題である。
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Research Products
(3 results)