2021 Fiscal Year Annual Research Report
Fabrication of artificial relaxor using hybrid structure and application to creation of next generation multifunctional materials
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19K04502
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
米田 安宏 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究主幹 (30343924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 貴司 福岡大学, 工学部, 教授 (80314540)
小舟 正文 兵庫県立大学, 工学研究科, 特任教授(名誉教授) (90240960)
和田 智志 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60240545)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 誘電体 / リラクサー強誘電体 / 放射光 / ナノスケール構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、リラクサー的な階層構造を典型的な強誘電体を用いて実現することである。これまでに福岡大の西田准教授によってナノドットを用いた埋め込みと兵庫県立大学の小舟教授の薄膜を用いた埋め込みとその検証に成功した。 最終年度である2021年度は、未だ実現していないナノ粒子を用いた山梨大の和田教授とリラクサー構造の実現に注力した。我々は種々の放射光測定によってリラクサー構造の抽出を行ってきており、リラクサーは短距離、中距離、長距離と距離に応じて構造が変遷していくことが特徴である。従ってリラクサー構造の実現には少なくともナノスケールオーダーのサイズが必要である。ナノ結晶では粒子サイズによって空間が制限されているためリラクサー構造の実現が困難であることがわかった。そこで当初計画のナノ結晶へのリラクサー構造の埋め込みからバルクセラミックス結晶へと修正した。ビスマスフェライトを母相とし、チタン酸バリウムとで混晶を作製することを試みている。この系は従来単相のサンプルを合成することが困難とされてきたが、合成法を検討した結果、幅広い組成で単相のサンプルが得られている。科研費により共同研究は今年度で終了するが、今年度に新たに作製したサンプルについては今後も放射光測定を行ってフィードバックする強力関係は続けていく。 今年度に論文発表したテーマとして、昨年度にリラクサー関連物質として注目しているチタン酸ビスマスナトリウムの高温相におけるナノスケール構造解析を行った。室温においては大きく歪んだ菱面体格子のためにサイズに応じて変化する構造を観察することはできなかったが、ビスマス原子が格子のフレームワークから逸脱することを見出した。そこで、より格子の束縛から逸脱しやすい高温領域において同様のナノスケール構造解析を行ったところ、距離と共に変遷していくナノスケール構造が観察することができた。
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Research Products
(13 results)