2019 Fiscal Year Research-status Report
SStudy of acoustic radiation force-based actuators for optical MEMS
Project/Area Number |
19K04505
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 敬 東北大学, 工学研究科, 助教 (60633394)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | MEMS |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は音響放射圧駆動型アクチュエータの音波発生デバイス部の設計と製作を行った。デバイスには平板を静電アクチュエータにより上下振動させ音を発生させる構造を用いた。振動部の大きさは約1mm角で、厚さは150umである。設計した構造の共振周波数は約600kHzである。製作に使用したSilicon on insulator (SOI)ウエハの厚みはデバイス層/SiO2層/ハンドル層がそれぞれ150um/2um/200umである。Si層の加工には反応性イオンエッチング装置、SiO2層の加工にはフッ化水素酸溶液用いた。製作したデバイスにおいて設計と実構造で明らかな差異はなく、うまく製作できたと考えられる。アクチュエータの動作確認にはレーザードップラー振動計を用いた。印可電圧は約50Vを用いた。駆動周波数に対応した振動が観測され、デバイスの駆動を確認した。また、各駆動周波数に対する振動形状を測定した。効率的に機械振動を音波に変換するためには、振動面の領域すべてが同位相で振動する基本振動モードが適している。この振動が製作デバイスで可能かどうか実験により調査した。約600 kHzで振動振幅が大きくかつ振動面の領域すべてが同位相で振動することを確認した。観測した振動振幅は20nm程度であった。製作したデバイスを前述の条件で駆動し、金属製の片持ち梁構造を用いて放射圧の観測を試みた。この実験条件では静電引力の影響が大きく放射圧に対応する斥力の観測ができなかった。今後は静電引力の影響を考慮に入れたデバイス構造設計を行い放射圧の研究を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
音波発生可能な振動構造をMEMSにより製作し、音波放射に適した振動面の領域すべてが同位相で振動するデバイスの駆動を確認できた。また、静電引力の影響を考慮したデバイス設計が必要であることが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
現状の設計デバイスでは放射力よりも静電引力の影響が大きく生じることが分かったため、今後は、静電引力の影響が大きく生じないデバイス構造を設計し製作を行う。また、今回試作したデバイスの振動振幅は数十nmであった。デバイスの構造上、平板の振幅は平板が下部電極に物理接触する2umまで可能であるものの、今回の試作デバイスにおいてはその1%しか使用できていない。より大きな振動振幅による大きな音圧を得るために、平板間ギャップの小さなデバイスを設計し構造の最適化を行う。
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Causes of Carryover |
実験に用いる物品を自作したため使用額に差異が生じた。次年度有効利用する。
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Research Products
(2 results)